|
♪ ♪ ♪ |
01. Where I Began 02. Riverbend 03. Dark Blue Wind 04. Departure 05. All We Ever Wanted 06. Unlike The Stars 07. Skies And Openings 08. Window, Lookin Back 09. Unweaving 10. What Falls Aways 11. Turning Years 12. Window, Looking Back(Solo) 13. Turning Years(Alternate Mix) |
メンツを見れば、壮絶なギターバトルを期待してしまうのは、かつてキング・クリムゾンに在席していたということが大きく影響しているでしょう。 かつてのマイケル・ヘッジスとマイケル・マンリング、デビッド・キュレンとマイケル・マンリング… そして、このアルバムで最初に目を惹いたのはトニー・レヴィン! このスタジオでのトニーは、そうしたトリッキーなプレイを求められているのではなく、もっとオーソドックスなベースプレイ。どの曲だって、よく耳を傾け ていないとほとんど聴き取れないくらいのベースの音が入っているだけ。なんて贅沢な起用の仕方なんだろう!と思ってしまうのは、やはりクリムゾンの影響で すね(笑) 余談ですが生のトニーは、1990年に来日したAnderson Bruford Wakeman & Howeの時。彼のトレードマークであるスティックベースを披露してくれました! それはさておき、 アコースティックギターという楽器の、もっとも美しい音で綴られた11編の楽曲。2曲のアンサンブルをソロ・ギターでも演奏してくれています(12、13)。ギター・ソロがメインとなるアルバムですが、ソロの曲ではウィンダムの丘で聴く風のよう。当然、心地よく気持ちがいいサウンドが自然に流れて来ます。そして身体にしみ込んで来る… フィンガースタイルの生々しいピッキングが、とても自然に(録られ)奏でられていて、あたかも丘の上に座って青空を流れて行く雲を眺めているような穏やかな時間を感じます。彼らの音楽を聴くたびに同じことを思ってしまうのは、この時間が現実のものではなく、私の中に流れている時間やシーンの一こまを思い浮かべてしまうのはなぜでしょう? そしてこの温もり、ナチュラルな響きは樹々(ギターね)の歌を聴いているかのようです。イマジナリー・ロード・スタジオのメンツも比較的少なく、ヴィンの楽曲をじっくりと堪能することができる一枚。かつて私をFacebookに誘ってくれたDavid Wildingにも似て、未だにリリースされない彼のアルバムを思い出してしまいました。どの曲も技巧を凝らしたような曲ではなく、じっくりと曲の良さ(歌)を伝えてくれています。これはアーティスト(楽曲)とスタジオ(録音)の共同製作によって生まれたギターアルバム。 ウィル参加の♪Departureではトニーのベースが加わってのストリングス・トリオ。ここでも主役はヴィンなので、2人の演奏は、あまりにもさりげない(もったいない)。 アルバムトラックの♪Unlike The Starでのユージンのチェロは、星空の世界ではなくもう一つの宇宙である森の世界か。 そしてストリングスが中心のアルバムですが、唯一、エンジニアのトム・イートンがピアノでサポートする♪Skies And Openingsもアルバムの中頃に配置され、よいアクセントとなっています。 デビッド・ワトソンのフルートが2曲入りますが、♪Wind, Lokking Backなどは部屋のそとを小鳥か蝶々が横切ってくれたかのような心持ちにさせてくれます。 |
Photo by Toshiharu Minagawa. |
|Vin Downes|戻る(Imaginary Road Studios 2013)|
|home(一番星のなる木)|