ウィンダム・ヒルの掲示板
ジョージ・ウィンストン(George Winston)

 1949年(本人に誕生日を聞いても教えてくれないんですよね〜)ミシガン州出身。幼少期をモンタナという大自然豊かな土地で過ごしたことが、のちの彼の作曲の面や演奏に大きな影響をあたえました。

 学生時代はドアーズのキーボード(Ray Manzarek)に影響され、オルガンなど演奏していました。1970年になると、ヴィンス・ガラルディやトーマス・ファッツ・ウォーラらが奏でるアコースティックピアノの表現(スタイル)と衝撃的な出会いをし、キーボードから生のピアノに転向。John Fahey主催のタコマ・レコーズから念願のピアノ・ソロアルバム(TAKOMA R9016)をリリースしました。この頃、タコマ主催のコンサートで、のちにメイトとなるアッカーマンや、デ・グラッシと出会っています。

 ソロ・アルバムリリース後、(表現の限界から)ピアノを離れ、ハワイアン・スラックキー・ギターに転向し、名手ケオラ・ビーマーに師事するため、ハワイに渡りました。その後、ウィンダム・ヒルを設立していたアッカーマンと再会。ギター・アルバム制作の契約をし、それが1stアルバム『オータム』になりました。実はアッカーマンの説得で当初のギターアルバムからピアノへ変更され、その後のウィンストンの方向を決定付けることになったのです。

 現在もステージではピアノ、ハワイアン・スラックキー・ギター、ハーモニカと楽器を持ち替えて彼の音楽を表現し続けています。2008年には通算

 自らのレーベル、ダンシング・キャットでは、ハワイアン・ギターをメインにしたレコードを制作し続け、自身のソロアルバムは無いものの、ケオラ・ビーマーをはじめとする名手たちのアルバムを制作し続けています。

 

 


PIANO SOLOS(1972)
01.Highway Hymn Blues
02.Song
03.Go "Way From My Window
04.The Woods East of Deland
05.Brenda's Blues
06.Miles City Train
07.New Hope Blues
08.Theme for a Futuristic Movie
09.Rag
10.Untitled
 ウィンダム・ヒルからデビューすること8年前、1972年にTAKOMA RECORDSからリリースされた記念すべきデビュー盤(R 9016)。このアルバムは、最もジョージらしい作品集といえます。タイトルはシンプルに『PIANO SOLOS』。ウィンダム・ヒルで脚光を浴びるようになってからはLost Arkレーベルより再リリースされ(ジャケット下)、それに合わせてタイトルも『BALLDS AND BLUES 1972』と変更されました。アメリカに古くから伝わるピアノ・ラグのスタイルでの軽快な演奏が楽しめます。

 なお、2006年にはウィンダム・ヒル30周年記念盤としてボーナストラックを5曲(11〜15)追加してリ・イシューされました。これでジョージのアルバム1972〜1991年の全作品がリマスター&ボーナストラック追加化されたことになります。封入楽譜は“New Hope Blues”です。

Windham Hill 30th Anniversary Edition Bounus Track
11. Blues in G
12. You Don't Love Me
13. Elcina's Grandmother's Rag
14. Variations on Song for Kurt
15. Bright Light Waltz




AUTUMN(1980)
- SEPTEMBER -
01.Colors/Dance
02.Woods
03.Longing/Love
- OCTOBER -
04.Road
05.Moon
06.Sea
07.Stars
 日本ではCMに使用された「あこがれ/愛」がヒットしたおかげで、このアルバムばかりが注目を浴びていますが、それを抜きにしても、アルバムタイトルを音で表現した(印象ではなく)傑作アルバムとして永遠に聞かれ続けるであろうピアノ作品です。音と音の間にある響きが彼独特の表現で、聴き手を心地良くしてくれます。
 2001年レーベル25周年を記念してボーナス曲が追加され再リリースされました。封入楽譜は多くのファンが待ち望んだ“Longing/Love”です。
レビュー
20th Anniversary Edition Bounus Track
08. Too Much Between Us




WINTER INTO SPRING(1982)
01.January Stars
02.February Sea
03.Ocean Waves (O Mar)
04.Reflection
05.Rain
06.Blossom/Meadow
The Venice Dreamer
07.Part One - Introduction
08.Part Two
 このアルバムに収録されている“きらめき(Reflection)”という曲が、ジョージの作品で最も好きな楽曲です。
 1990年、日本ではジョージのベストアルバムをカップリングし、2枚組として再リリース(No NOISE systemを施しているデジタル・リミックス盤)していますが、本国ではレーベル25周年を記念して(ただし日本では来日記念盤として)前作同様ボーナス曲が追加され再リリースされました。封入楽譜はその“Reflection”です。(レビュー
20th Anniversary Edition Bounus Track
09. (Love Echoes in the)Pine Hills




DECEMBER(1982)
01.Thanksgiving
02.Jesus, Jesus, Rest Your Head
03.Joy
04.Prelude
05.Carol of the Bells
- NIGHT -
06.Part One: Snow
07.Part Two: Midnight
08.Part Three:Minstrels
09.Variations on the Kanon by Johann Pachelbel
10.The Holly and the Ivy
11.Some Children See Him
12.Peace
 クリスマス・キャロルと自作にもかかわらず、それがすべてジョージの作品のように聞こえてきてしまうほど、彼の作品になり、ジャケットから想像されるすべての音が詰まっています。彼の左手で奏でられる暖かい作品と違って、ここでは冬の厳しさや寒さが音となって伝わってくるよう。粉雪が舞うような高音が美しく響きます。そんな中にあって、一番の聴きどころは“パッヘルベルのカノン”でしょうか。
 2001年レーベル25周年を記念して前作同様ボーナス曲が追加され再リリースされました。封入楽譜はその“Variations on the Kanon by Johann Pachelbel”です。

私がこのレーベルを聴き続けるきっかけとなったアルバム。(レビュー
20th Anniversary Edition Bounus Track
13. A Christmas Song
14. Sleep Baby Mine




SUMMER -1991-
01.Living in the Country
02.Loreta and Desire's Bouquet - Part 1
03.Loreta and Desire's Bouquet - Part 2
04.Fragrant Fields
05.The Garden
06.Spring Creek
07.Lullaby
08.Black Stallion
09.Hummingbird
10.Early Morning Range
11.Living Without You
12.Goodbye Montana - Part 1
13.Corrina, Corrina
14.Goodbye Montana - Part 2
15.Where Are You Now
 秋、冬、春ときて、続くのは夏だろうと予想していましたが(コンサートで本人がよく口にしていましたし)、前作1982年から9年を経てようやくリリースされたのは予定通り“夏”。キャニオンレコードからリリースされるようになってからのファンには5年ぶりでしたが、ウィンダム・ヒル、日本登場の1983年から聴き始めた私にとっては実に8年の歳月が過ぎていました。しかし、コンサートで度々演奏されていた楽曲も多く、初めて聴くような印象は全くありませんでした。また、興味深いのはオリジナルばかりではなく、他人の楽曲を演奏していること。個人的に同レーベルのフィリップ・アーバーグの作品を取り上げていることでしょうか。ジョージの作曲のインスピレーションはフィルら受けているということを言っていたので、聴き比べてみるとスタイルの違いがわかるからです。(レビュー
2005 Special Edition Bounus Track
16. Old Friends

ここまで紹介した作品群が、いわゆる『四季・四部作』と称されるアルバムです。この後の作品群は、ジョージの作曲家として、また芸術家としてのキャリアに磨きをかけ、次々にすばらしい作品を制作してくれています。


ディスコグラフィー〜その2〜もどる(Windham Hill)

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