ここでは遠野物語を楽しむための参考書をご紹介します。 |
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物語の世界へ/石井正己著 (三弥井書店/2004) |
遠野物語が完成してゆく過程や、遠野物語が民話のふるさとと呼ばれるようになっていく過程などを、過去の新聞の広告などを掲載して解説してくれます。 |
100年目の「遠野物語」119のはなし/木瀬公二 (有限会社荒蝦夷) |
遠野を訪れたのが1989年と1999年。どちらも遠野にとって節目とは縁もゆかりもない時期だったから、この本を読んで100年目の遠野が盛大に盛り上がっていたとは思いもしませんでした。 1999年の再訪した時には、藁葺きが鉄の屋根に変わっていたりと、部外者にとって寂しい変化の兆候があちこちに見受けられたものでしたが、木瀬氏の新聞連載されたコラムを読んでいると、違った活気が遠野を、遠野に住む人々の間に吹き出したようで、久し振りにまた行きたくなりました。当然、ザシキワラシやカッパに会いにね。 また、ここに収められている119のうち、ザシキワラシ(一〜九)の話や、馬の魂が抜けて家に当たった音(ヒサさんの馬)など、100年前の遠野が変わらずに人々の生活の中に息づいている様子が克明に記されていると感じました。 |
遠野昨日物語/浦田穂一著 (河出書房/2009) |
私が遠野を訪れたのは1989年と1999年。気に入った風景や、遠野物語を思わせる風景にカメラを向けてシャッターを切りました。わずか二回、たった5日間の滞在で遠野の全てを見ることができるわけではなく、またその魅力の全てを肌で感じ取ってきたわけではありません。私が見たものは、ほんの僅かな表情です。そしてまた、何度訪れたところで、見ることのできない昔の遠野の原風景。 たとえば大和書房から出版された遠野物語の巻頭で見ることのできる当時の遠野。そうした風景は、もう写真集で見ることしかできません。そんな欲求を満たしてくれる写真集が、2009年に出版されました。偶然にも、私が遠野を訪れた10年という間隔を思い起こさせてくれるかのように、最後に遠野を訪れてから再び10年後に出版されたのです(まー、勝手に思っているだけですが)。 この写真集は、遠野に住む浦田穂一氏(1933-2004)が私が生まれる1年前から遠野に住み、シャッターを切り続けた集大成。ページをめくる度に、ある種のゾクゾク感を覚えました。私も見た風景(たとえばデンデラ野)も多く収録されているので、時を超え、著者のファインダーを通して、当時の遠野に入り込めるような気がします。 |
遠野/物語考/(有限会社荒蝦夷) |
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増補版の帯に書かれているように、遠野物語100周年に併せて再出版されました(もともとはちくま文庫)。 |
遠野物語の原風景/(筑摩書房) |
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1978年に新人物往来社から出版された『聞き書き遠野物語』が、1994年に筑摩書房から新装される際に『遠野物語の原風景』と改題されました。 私がこの本を知ったのは、先の『100年目の〜』の中で2010年9月12日のコラムに復刊したと紹介されていたおかげです。 |
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