tupichan's billboard hot 100
(ビルボードのチャートに関わらず~)

2010年にリリースされたアルバムのお気に入りを紹介します


Produced by Rick Rubin.




 2007年7月にリリースと噂されていたアルバムがやっとリリース。これでジョニーも歌の歌詞とは裏腹に安らかに眠りにつくことが出来るでしょうか。9歳の息子に聴かせたところ、1曲目の暗さに気付き、「なんか重たいものを足で引きずっているみたい」と。「俺の身体を横たえる墓なんてねぇ」と歌うジョニー。アルバムタイトルや1曲目に配しているのは、プロデューサーであるリックのアイデアなんでしょうが、見事な幕引きとなっています。バックにはハートブレイカーズの面々。アメリカン・レコーディングスの締めくくりに相応しい内容です。

Billboard Peak Possision #3 on Mar 13, 2010





♪Billboard 200 ; No.4(2010年3月27日付のチャートで初登場4位)

 レコード会社の発表では、実に28年振りのスタジオ作品であり、1970年に27歳の若さで散ったジミ・ヘンドリックスのオリジナルアルバム、とのこと。ジミをよく知る(とは言っても本人ではないから、そうやって関連づけないと納得しないであろう)エディ・クレイマーが最終的なサウンドを作り上げてくれました。40年前の音源とは思えないようなパッションは、さすがにジミとの付き合いが生ませたマジックからではなかろうか?寄せ集めのアルバムと思って聴くと、スピーカーから火が噴くかも(笑)



 いかにもスラッシュらしいどくろをあしらったジャケット。1987年にガンズ・アンド・ローゼスでレコードデビューしつつも、意外にもソロ・アルバムを制作したのは初めて。その前にも「バンドとして」スラッシュ・カラーを前面に出してはいたけれど。ギタリストらしく、ヴォーカルはゲストに任せて、自らはギターを弾きまくり。ではあるが、やはり多くの人が期待しているのはたった一人。そいつとの共演、というよりはヨリを戻してバンド再開でしょう。

♪Billboard 200 ; No.3(2010年4月24日付のチャートで初登場3位)

Slash.com




Produced by Mike Paxman.

- Asia -
John Wetton; Bass, Vocals
Steve Howe; Guitars
Geoff Downes ; Keyboards
Carl Palmer ; Drums


 前作『PHOENIX』から2年で新作が届けられましたが、世界中をツアーしてからのスタジオ入りなので、2008年のそれとはちょっと質が異なりますねー。世界中でライヴを経験し、メンバー間にクリエイティヴなアイデアが噴出したのでしょう。楽曲のクオリティの高さがそれを物語っています。  それにしても意味深なタイトルですが、ジョン曰く『ALPHA』と併せてブックエンド的な意味合い程度、だとか。ファンとしてはこの上ない喜び。やはりエイジアはこの4人じゃないと!私はジョンの声質が好きなのでそれだけで満足!(それにしてもニューアルバム後、ライブに行ってないなぁ)

 




 ザックと袂を分かち、新たにガスGという若手を起用した今回のオジー。ザックの攻撃的なギターという自己主張が抑えられている分、オジーのヴォーカルが好き放題荒れているという感じ。ザックファンとしては、今回のアルバム、いささか複雑な気分です。

♪Billboard 200 ; No.4(2010年7月10日付のチャートで初登場4位)

Ozzy Osbourn ; Vocal
Gus G. - guitars
Rob "Blasko" Nicholson - bass
Tommy Clufetos ; drums, percussion
Adam Wakeman - keyboards

Ozzy.com


 オジーと袂を分かち、新たな気持(?)でレコーディングしたザック・ワイルド率いるブラック・レーベル・ソサエティの9枚目のアルバム。ザックは以前もオジーかガンズかの選択の際(ある評論家曰く「両天秤に掛けた」とか・・・)に、両者から拒絶されたと言うことがありましたが、今回はどうなんでしょうかぁ。皮肉なことにオジーと同じくチャート初登場4位は、ザックにとって最高ランクです。前作まではほぼ毎年リリースといった印象がありましたが、このアルバムは4年ぶり(間にオジーとのセッションもあったし)。
 それにしてもずっと重たいリフでバンドを引っ張ってきましたが、オジーと分かれたおかげなのかなんなのか、結構スッキリとした音に変わっています。相変わらずのサウンドではありますが、聴くシステムによってはヴォーカル以外の音がやたらとデカすぎてザックのヴォーカルがきつかったり、チープなサウンド(MP3とかね)だと、そこそこバランスが良かったり。でも、「これ!」といったフックのある楽曲がないのはつらいかなぁ。

♪Billboard 200 ; No.4(2010年8月28日付のチャートで初登場4位)

Zakk Wylde ; Vocal, Guitars, Piano
John DeServio - bass
Will Hunt ; Drums



 デビュー20周年という記念の年に待っていたのは。マジかよ、無期限活動停止宣言って。しかもこんなアルバム作って。全曲過去の楽曲をアコースティック(彼らのもっともリラックスしたスタイルなんだな、これが)に演奏し直したもの。1991年に「英国発信のクワイア・ボーイズへの米国からのアンサー」というキャッチコピーで紹介された黒鴉。クリスとリッチの確執(兄弟げんかね)もあって、時々ギクシャクしながらやって来たのに。まぁ、解散というわけではないみたいだから、ゆっくり休んでもらいましょう。

-The Black Crowes -
Chris Robinson ; Vocals
Rich Robinson & Adam MacDougall ; Guitars
Sven Pipien ; Bass
Luther Dickinson ; Keyboards
Steve Gorman ; Drums



 ここにはマディもアルバートもバディもいない。なのに彼らをひしひしと感じるのは、アルバムタイトルがもろ「モジョ」だから。オープニングを聞いただけで、彼らのルーツというものが分かろうもの。う〜ん、日本じゃ売れないだろーなーという憂いもどこへやら。彼らは彼らの道を歩いていくだけ。それについていこう、どこまでも。右にマイクのギター、左に(がんばる)トムのギターというサウンドも古くてイイ感じがします。

♪Billboard 200 ; No.2(2010年7月3日付のチャートで初登場2位)

Tom Petty ; Vocal, Guitar
Mike Campbell. - guitars
Ron Blair - bass
Benmont Tench - keyboards
Scott Thurston - keyboards
Steve Ferrone ; drums, percussion



 昨年はクリス・クリストファーソンの『』に「やられたっ!」という感じでしたが、今年はこのアルバムでしょうか?なんと全曲モノラル録音という、まさに時代を逆行しているというか、時代に逆らって古(いにしえ)の時をフラッシュバックするかのようなサウンド。プロデュースはT-Bone Burnett。やりますなぁ。しかもマイク1本というシンプルさ。レコーディングスタジオも、あのロバート・ジョンソンが使ったというホテルを選んでみたりと、かなりのこだわりで作り上げた作品集です。うーん、ボブ・ディラン的なしゃがれ声も、彼の歳(年輪)を感じさせます。

♪Billboard 200 ; No.10(2010年9月4日付のチャートで初登場10位)



 リック・ルービンプロデュース!と思って蓋を開けてみると、ニール自身によるプロデュースでした(ちょっとがっかり・・・)。今回は他アーティストに提供していた作品や、名曲と言われる楽曲のカヴァー集です。前作でもボーナスDVDなどにカヴァーを収録していたので、その頃から暖めていたアイデアだったのでしょう。

♪Billboard 200 ; No.8(2010年11月20日付のチャートで初登場8位)



  分裂(クリス&トレバーの90125イエスとジョンと仲間たちの往年のイエス)したバンドが、バンド名を巡る裁判まで起こした時期もありましたが、当時ジョン側のイエスがファミリーネームを使ってABWHと名乗り名作をリリースしたのは1989年の事。このファミリーネームも、彼らが走りで、そのあと「カヴァーデール・ペイジ」とか「ペイジ・プラント」、「ブラッド・ショウ」なんて流行しました。
 そのアルバムの中にはリリカルな小品が収録されていましたが、まさにこのアルバムはリリカルで、アコースティックな作品集です。メンバーはジョン・アンダーソンのヴォーカルとハープ、それとリック・ウェイクマンのピアノとシンセサイザーというシンプルな編成。

 かつてウィンダム・ヒルの英国からの返答、という形でランド・スケープというレーベルからグランド・ピアノによる『COUNTRY AIRS』というアルバムを製作したリック。そしてジョンはウィンダム・ヒルから2枚のアルバム(『TOLTEC』『DESEO』)をリリースしています。今回のアルバムはまさに「そこだけ」を抽出して編まれたような作品集です。



 兼ねてから予告されていたヴィンス・ガラルディ作品集の第二弾。前作は1996年に発表されたから、およそ14年振りの、ということになります(笑)。第一弾は「スヌーピー」のサウンドトラックに使われていた曲がメインでしたが、今回の作品集では、それ以外(当然ピーナッツ作品も含まれています)の楽曲を取り上げて、知られざるヴィンスの作品を耳にすることが出来ます。 


NEW ENGLAND ROADS
 4年ぶりにリリースされたウィリアム・アッカーマンのニューアルバム。ここ数年は、ウィルのイマジナリー・ロード・スタジオで様々なアーティストのアルバム制作に没頭していて、なかなか本人のフルアルバムの発表がなかったのですが、ようやく届けられた一枚。その内容は、前記したように、様々なアーティストとのコラボが中心としたアンサンブルです。
 残念なのは、今回も日本での国内発売が無い事、アマゾンなどからの購入ができないという事です。こうした状況が続くようでは、日本でのライヴなど期待薄でしょう。





ソプラノ;ナタリー・デセイ
メゾ・ソプラノ;アリス・クート
合唱;オルフェオン・ドノスティアラ
フランクフルト放送交響楽団
指揮;パーヴォ・ヤルヴィ


 最近のクラシック界は、このネーメ・ヤルヴィの息子パーヴォ・ヤルヴィを大プッシュなのでしょうか。昨年も私はホルストの「惑星」を取り上げましたが、こんどはマーラーです。しかも一番好きな2番を取り上げてくれています。私が気に入っている点は、ライヴ録音ではないと言うところです。昨今のクラシック界は、なかなかスタジオセッションに時間を割くことが無く、ライヴレコーディングが流行っていますが、「惑星」しかり、ヤルヴィはスタジオ録音によるディスコ・グラフィを増やしています 。

 さて、このアルバムですが、ソリストにナタリー・デセイ(ソプラノ)とアリス・クート(メゾ・ソプラノ)を起用、オーケストラはエリアフ・インバルが全集を完成させたフランクフルト放送交響楽団です。どことなくインバルのブルックナーシリーズを思わせるジャケットです。

 というわけで、右側のジャケットは1983年にリリースされたジャケットですが(2010年にブルックナーボックスセットが出ました)これはそのうちの交響曲第3番で、もっとも似ているジャケットではないでしょうか? 。今までバラで「どうしよー」と思い悩んでいましたが、まとめてボックス仕様ということで、手を出してみようかと思います。いわゆる大人買いというヤツなんでしょう(笑)。はたして真面目に聞くことが出来るのか?というのが私個人の不安(笑)

 結局、ヤルヴィのマーラーは、この後映像での全集となり、この第2番も録り直し…
 

 







バリトン;クリスティアン・ゲアハーヘル
メゾ・ソプラノ;マグダレナ・コジェナー
クリーブランド管弦楽団
指揮;ピエール・ブーレーズ


 どこかのレビューによると、マーラーチクルス第二弾(なんでも歌曲に踏み込むとか書いてありましたが、???です。 すでにオッター等と「亡き子をしのぶ歌」他、ウィーンフィルと歌曲アルバムをリリースしているし・・・)だそうですが、今までのチクルスが全てスタジオレコーディング(ブーレーズはセッション前にライヴを行って、そのままスタジオ入り)だったのに対し、このアルバムは2010年2月13日に行われた音源が商品化されています。つまり、今後ブーレーズもライヴレコーディングが増えるという事でしょうか? それにしても、このチクルスもジャケットに特徴があったのに、交響曲第3番からアーティストポートレイトに替わってしまって残念。

 ここでは、私のお気に入りであるコジェナーがメゾ・ソプラノのパートに起用されています。カップリングは未完に終わった交響曲第10番より第1楽章。ブーレーズと言ったら、20世紀の現代音楽のレパートリーを得意とするだけあって、たとえば最初に取り上げた第6番などのように、非常に美しく響き渡ります。まさにブーレーズならではの表現ではないでしょうか。欲を言えば交響曲第2番の第4楽章にも起用されている「原光」を、コジェナーの声で聴きたかったなぁ。

昨年(2009)、京都賞を受賞しました。

 
バーンスタインとブーレーズのマーラー

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