3月21日 四街道自然同好会
 『近頃、近所にトラツグミがやってきています。朝の6時にお寺のゴーンという鐘の音とともに鳴いて、その存在を教えてくれています。昔から、あの怪音(もの悲しげな鳴き声)を聞いていたのですが、それがトラツグミだとは知らず、不思議な思いをしていました。そもそも最初の存在に気づいたのは、私が中学3年生の春、世間では「惑星直列」騒動があった頃です。友人と良く星を見に行く場所に一人で行き、その夜の出来事を肌で感じようとしましたが、何も起こらず頭上で「ヒュー」とか「ヒョー」という怪音がついてくる、という体験をしたのが初めてのことでした。
 私はよく徹夜で星を眺めるのですが、春先になると一晩中あの声が付き合ってくれます。前は、暗闇から聞こえてくる正体がつかめずにいたのに、今や、星友だちみたいな感覚で接しています。
 あの怪音がトラツグミだとわかったのは、去年、群馬県の武尊山に登った時に泊まった谷川沿いの「みよしや」にいた時です。谷川のせせらぎに合わせて初めて聞いたヨタカのキョキョキョキョという声に交じって「ヒョー」とひと鳴きすると、まるで山びこのように反対の山の中からヒューと返ってくる。このやり取りが頭上で一晩中続いていました。オスとメスの求愛行動と本で読んだのですが、実際に目の前で繰り広げられていると感動ものです。見えない相手を声だけで確かめているのですから。それも一晩中。
 トラツグミの声はそれ以来なのですが、近所にやってくるのは一人もののようで、相手の声が聞こえてきません。まさか鐘の音を相手にしているとは思えないし。

 ところで、先月、カワセミのいる物井の鹿島川に行ってみたのですが、行ってビックリ。川沿いの草が全部刈り取られ、焼き尽くされていました。あの中には川蝉の巣もあったのに。 でもこれが毎年行われていることなら、また草が茂る頃には戻ってきてくれるでしょうか? またお便りします。』

---四街道自然同好会・4月13日号(1997)


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