星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 ポリネシア・ヴァイキングというタイトルが付けられていますが、ここでのテーマは、太陽が昇る方角を目指して、星を頼りにポリネシア諸島を航海した人々の冒険譚のように描かれています。ポリネシア諸島に入植が始まったのは紀元前2500年ごろだと言われています。このテーマは、以前私が講座のテーマとして、世界中の星空を訪ね歩く企画の一つに南半球がありました。そこで調査した際にポリネシア諸島の航海術を知り、とても興味深く彼らの星の知識に圧倒されたのを思い出します(その後、地球交響曲第3番や、ホクレア号に関する本を読みあさりました。ちなみにホクレアとはアルクトゥルスのこと)。

  クレジットにはたった一台のピアノしか記載されていないのですが、音を聴く限り、この一台のピアノを10人のアーティスト(奏者)が演奏しているようです。それは裏ジャケットのような感じで演奏しているのでしょう。ピアノの鍵盤の音がするのはごく僅かで、そのほとんどが内部の弦を直接叩く、こする、弾く、その他考えつくことはしているのでしょう。聴いたことがない音もまじっています。もしかしたらピアノ以外の楽器も使っている? とも思いましたが、情報の少ないインナージャケットの上からだとわかりません。ネットでググってみると、動画がありました。まさに思った通りのアンサンブル! なんじゃこりゃ!となるのは請け合い! いわゆる現代音楽の範疇に入る作品ですが、ケージのプリペアドなどとは違って、しっかりとしたメロディを奏でています。これは非常に聴きやすい音楽だと思いました。

 真赤な夜空に航海の指標となる周極星(この赤い空は低緯度オーロラでしょうか)。ポリネシア辺りまで行ってしまうと私が住んでいる北半球の周極星、つまりは北極星も見えるところと見えないところが出てきます。ハワイ(ホノルル)は、北緯21度。赤道直下から21度ほど北に位置しています。インドネシアのジャカルタがほぼ赤道直下となり、市街地では見えないのではないでしょうか?このアルバムのジャケットは北極星のクローズアップなので、中心に明るい星が映り込んでいますが、南半球の空に周極星は存在せず、その近くのマゼラン雲や南十字を方角をはかる星として使っているそうです。

 


The Bowed Piano Ensemble

Part I: Tangaroa
  01. The Void
02. The Great Ocean of Kiwa
03. Ocean Drum
Part II: Vikings of the Sunrise:
  04. Sun Catcher
05.Star Path
06.We, the Navigators
07.Maui, Tu and Hiro play the Ocean Drum
08.Tangiia Takes Ten to Tango
09.Land of Light
10.Kiukiu, Departing Place of Spirits
11.Lament for Rapa Nui
12.The Star Paths Fade
Part III: Vikings of the Sunset
  13.The Caravels of Christ
15.El Paso, A.D. 1520
16.Mar Pacifico
17.Transit of Venus, Matavai, A.D. 1769
18.The Last Viking, A.D. 1947
19.Dirge for the Lost Heroes
20.Hawaiki/Valhalla





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