星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)


「ヘールボップ彗星とかんむり座」tupichan 1996

日本の天文学(星の和名)


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★日本人の天文観
表紙 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
日本人の天文観
広瀬秀雄/著
NHKブックス(1977)
1344-001167-6023

I. 古代・上代の日本人と星
II. 暦日への関心のたかまり
III. 暦日と干支
IV. 天文館の自然よりの遊離
V. 近世前期の天文観
VI. 近代西洋天文学の流入
VII. 天文台と天文方
VIII. 編暦ををめぐる人々の生活
IX. 庶民と暦と星
 私が5歳の頃に出版され、そういう本が手元にあって眺めていると不思議な感覚が蘇ります。こうしたジャンルの書籍は、天文を扱っているとはいえ、古文書などの古い資料がどこかから出てこない限り、また、現在こうしたジャンルを研究されている方々が少ないこともあって、なかなか古い時代の日本の天文に関する様子はなかなか窺い知ることができません。そして時が止まってしまったかのように新しい発見というのもまた稀です。ただ、そうしたことを知らずに読めば新しい発見ばかりで、古代からの日本人の天文観を顧みせてくれる貴重な書籍です。華やかな天文・宇宙論の世界と違って、いわゆる「民俗学」的な要素も含んでいるから、書店でも宇宙、自然科学、物理といったコーナーに置かれることもほとんどなく、人目に触れず書庫行きみたいな運命を辿ってしまうのかもしれません。勿体無い。
日本人の大地像
海野一隆
大修館書店(2006)
ISBN4-469-23240-8

 地球が「丸い」ということは、いかにして日本人の常識となったのか。目から鱗がボロボロとこぼれ落ちるのを抑えるのが必死になる程、知りたかった歴史の一端を知ることができました。

 これまで漠然とでしたが、こうした時間を経てきたんだということを知ることは、とても大事なことであり、こうした流れを知っているか知らないかで、星の観察会とかでとても役に立ってくれます。







★日本の天文学
表紙 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
日本の天文学
中山茂/著
朝日新聞社(2000)
ISBN4-02-261300-9

 初版は1972年で岩波新書から。タイトルは同じで副題が「西洋認識の尖兵」で出版されました。ニホンノテンモンガクに興味を持ち、手当たり次第読みあさった中の一冊。付箋だらけ(笑)
日本天文史料・上
神田茂/編 広瀬秀雄(復刻版解題)
原書房(1988)
1344-31940-6945

折り込みのチラシには、「わが国の天文に関する古記録を集成した名著!(復刻版)」とか「天文研究者・図書館必備図書」と讃えていますが、私が今までに利用したことのある図書館で蔵書として確認できたのは、千葉県市立中央図書館のみでした。初版は昭和十年です。

日食、月食、月星接近
日本天文史料・下
神田茂/編 広瀬秀雄(復刻版解題)
原書房(1988)
1344-31950-6945

上記の「上」と下の「総覧」とも全く同じ表紙なので、パッと見はどれを手にしているのかわからなくなってしまいそうですが、そんなどうでもよいことを差し引いても、この資料集の役割は巨大です。あまり馴染みのない「星晝見」の「晝」は「日の出から日の入りまで」を指す漢字なので、昼間見えた星の記録。


惑星現象、星晝見、彗星、流星、雑象
日本天文史料・総覧
『日本天文史料』索覧及追補
神田茂/編
原書房(1988)
1344-31960-6945

折り込みのチラシより、この本の紹介文を抜粋『日本天文史料』に収めた天文記録の記事概要、文献名、日本暦年月日、西暦年月日を年代順に配列したもの。
近世日本天文史料
大崎正次/編
原書房(1994)
ISBN4-562-02505-0

 神田茂編の『日本天文史料』慶長六年(1601)〜慶応三年(1867)の天象記録が収集されました。前書きには「これによって日本天象記録の収集は古代からほぼ完成したことになる」とありますが、まさに集大成の完成!天文ファン、歴史ファンにとっては手元に置いて資料として活用したいです。こうした書籍は、発行部数も少ないために、古書を探しまわってようやく手にすることができましたが、やはり活用すべきは図書館だったなぁと思いました。
国史国文に現れる星の記録の検証
齋藤国治/著
雄山閣出版(1986)
ISBN4-639-00603-9

 これも初めて手に取ったのは図書館の蔵書で、老人星の記録を調べたいと思ったからでした。この記録の検証には、他に老人星の老人星(13例)の他、月星の食犯(429例)、惑星現象(599例)、昼星見(60例)、ハレー彗星(16例)です。
近世日本天文学史(上)
渡辺敏夫/著
恒星社厚生閣(1986)
ISBN4-7699-0569-6

 もくじ
近世日本天文学史(下)
渡辺敏夫/著
恒星社厚生閣(1986)
ISBN4-7699-0570-X

 もくじ
近世日本科学史と麻田剛立
渡辺敏夫/著
雄山閣出版(1983)
ISBN4-639-00246-7

帯より抜粋
「地動説を日本において初めて提唱したとも伝えられる麻田剛立は、また近世科学を支え発展させた三浦梅園、山片蟠桃をはじめ、高橋至時、西村太冲など、多くの学者を育て上げた。しかし天文暦学をはじめとするその業績はいまだ明瞭に解明されていなかったが、著者は長年にわたって資料を収集し、剛立とその周辺の世界を初めて明らかにしてみせた。近世科学史研究の新展開に寄与する一大労作といえよう」
星に惹かれた男たち
江戸の天文学者間重富と伊能忠敬
鳴海風/著
日本評論社(2014)
ISBN978-4-535-78758-2


江戸時代の科学技術
町人天文学者間重富没後160年記念
大阪市立博物館

主催 大阪市・大阪市教育委員会
後援 東亜天文学会・日本医史学会・蘭学資料研究会
 間重富没後160年記念に大阪市で開催された特別展で出版された資料集。開催期間は昭和52年8月1日〜9月11日(1977)

星慕群像
近代日本天文学史の周辺
佐藤利男/著
星の手帖社(1993)
季刊誌『星の手帖』や『天界』に連載されていた、江戸時代以降から昭和初期に渡る、日本の天文学「周辺」の話題。いわゆるニッチと呼ばれそうな、今まで誰も取り上げて来なかった日本の天文界が舞台です。特にチェンバレンの「昔の日本人は夜空の星には興味がなかった」の誤伝は、もっと知られて良い内容じゃないかと思います。





★歴史
タイトル/著者 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
文明開化は長崎から・上
広瀬 隆/著
集英社(2014)
ISBN978-4-08-789002-0


文明開化は長崎から・下
広瀬 隆/著
集英社(2014)
ISBN978-4-08-789003-7
 





★星の和名
タイトル/著者 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
日本星名辞典
野尻 抱影/著
東京堂出版(1973)
ISBN4-490-10078-7
 
星の方言集 日本の星
野尻 抱影/著
中央公論社(1973)
 
日本の星名事典
北尾浩一/著
原書房(2018)
ISBN978-4-562-05569-2
I. 暦
II. 月
III. 空
星の海を航く
石橋正/著
成山堂書店(2013)
ISBN978-4-425-94385-2
 
星と生きる
天文民俗学の試み
北尾浩一/著
ウインかもがわ
ISBN4-87699-576-1
 
星を見よう!
おじいさんおばあさんの星の話
北尾浩一/著
ごま書房
ISBN4-341-13086-2
 
ふるさとの星 和名歳時記
千田守康/著
河北新報出版センター(2015)
ISBN4-341-13086-2
 河北新報の文芸欄に昭和62年連載されていた『ふるさとの星』というコラムを、書籍にする際再構成しています
 星の和名と言えば野尻抱影がライフワークにしていましたが、今も和名収集をされている方がいたことに驚いてしまいます。しかし、そうした方々の努力と脚が消えてしまったかもしれない、日本人の星に対する愛着を知ることができると思うと、感謝と嬉しさでページをめくってしまいます。
  出版は平成27年で、その3年前に発生した東日本大震災が起こりました。特に太平洋側の東北沿岸での聞き取りがメインだったようです。被災された方々の一刻も早い復興を願わずに入られません。






★歴史
タイトル/著者 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
日本史リブレット46
天文方と陰陽道
林淳/著
山川出版社(2006)
ISBN978-4-634-54460-4


日本史リブレット050
渋川春海
失われた暦を求めて
林淳/著
山川出版社(2018)
ISBN978-4-634-54850-3

 
日本史リブレット057
伊能忠敬
日本をはじめて測った愚直の人
星埜由尚/著
山川出版社(2018)
ISBN978-4-634-54857-2

 
群馬県立歴史博物館第96回企画展
すごいぞ!江戸の科学
時代を動かした地図・暦・和算の力
大阪市立博物館

主催 群馬県立歴史博物館
後援 日本科学史学会・日本数学史学会・洋学史学会ほか


別冊宝島2497
八百八知恵江戸の科学
鈴木一義/監修
宝島社(2016)
ISBN978-4-8002-6093-2
 





★暦・風俗
タイトル/著者 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
年中行事覚書
柳田國男/著
講談社学術文庫(1977)
ISBN4-06-158124-4
 柳田國男といえば、おそらくほとんどの人が『遠野物語』を連想するのではないでしょうか? 私も『遠野物語』から入りました。彼のこの書は日本に伝わる季節の行事を、民話同様に残すつもりで書き綴ったもので、その中に七夕伝説、月待ちの話を集めています。特に七夕に関しては、天文関係以外からのアプローチが新鮮で、目からうろこがボロボロと落ちてしまいました。

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