星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)


「さそり座」tupichan 2017



占星術

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 この本棚では占星術にスポットを当てています。だからといって私は占星術を信じるとか信じないとかの対象ではなく、あくまでも占星術の起源とか。そこから天文学という科学的な知見が生まれた成り立ちとかが書かれている本を集めています。「うお座の人はロマンチストで~」みたいな内容を求めている向きには参考にならないでしょう。






★占星術
タイトル/著者 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
占星術の起源
矢島文夫/著
ちくま文芸文庫(2000)
ISBN4-480-08573-4

第1章:オリエント宗教と天体神
第2章:カルデア人の科学
第3章:十二宮占星術の起源
第4章:十二宮占星術の展開
第5章:占星術的思考

西暦一七六年のホロスコープ
若干の古代占星術家について
オリエントの暦
オリエント人の世界観と人生観
占星術
中山茂/著
紀伊國屋新書(1964)

復刻版
ISBN4-314-00985-3


 このあとに紹介しているポール・クーテール同様、科学的(批判的)立場に立った上で占星術の起源、歴史を教えてくれます。副題「その科学史上の位置」。
カルダーノのコスモス
アンソニー・グラフトン/著
榎本恵美子/訳、山本啓二訳
勁草書房(2007)
978-4-326-10175-7

ジェロラモ・カルダーノ(Gerolamo Cardano, 1501-1576)
「ルネサンス期の科学と文化を映す鏡ともいえる博学の天才カルダーノ。その占星術師としての活躍に焦点を当て、彼の生きた時代に占星術が持っていた意味を探る」帯より。
古代占星術
タムシン・バートン/著
豊田彰訳
法政大学出版局(2004)
ISBN4-588-35602-X

第一章:歴史的背景
第二章:ギリシアとローマ
第三章:キリスト教の勝利
第四章:占星術の原理
第五章:占星術の実際
第六章:占星術師たちの社会的世界
第七章:影響と余波

詩の中の宇宙
竹下哲文/著
京都大学学術出版会(2021)
ISBN978-4-8140-0315-0


下の『占星術または天の聖なる学』は、シンプルに『アストロノミカ』というタイトルですが、その研究書とのこと。せっかくなら全文翻訳した形での出版だったら良かったのに(異なる訳者でも読んでみたい)。
星占いの文化交流史
矢野道雄/著
勁草書房(2019)
ISBN978-4-326-15459-3


「占星術の交流史を通じて、古代・中世の歴史、科学史比較文化などへとさらに関心を広げる」と書かれているように、専門書以外の情報から、意外な情報を得ることがあります。そしていつも思うのは、世の中のすべては関わりを持っているんだな、ということ。
西洋占星術
荒木俊馬/著
恒星社厚生閣(1987)
ISBN4-643-90071-7
I. 緒論
II. 神話伝説と占星術の起原
III. ギリシア・ローマ時代の占星術
IV. ホロスコープ占星術
V. コペルニクス転向以後の有名人と占星術

古典占星術の歴史を紐解いてくれます。
イメージの博物館 I
占星術 天と地のドラマ
ウォレン・ケントン/著
矢島文夫訳
平凡社(1974)
ISBN4-582-28401-9

 このページの最初に紹介している『占星術の起源』の著者、矢島文夫氏が翻訳を担当しています。今となってはかなり古くさい感じがありますが、図版などが豊富で、そういった映像を眺めているだけでも楽しめます。
占星術
ポール・ターデール/著
有田忠郎訳、菅原孝雄訳
白水社(1979)
ISBN4-560-05535-1
 占星術を、ここまでけちょんけちょんに批判するのも、今では珍しいが、ここまではっきりと言い切れる科学的立場の説明もまた頼もしい。マスコミが伝える占いの結果に一喜一憂している間は、まだ可愛いが、ターデールが「結論」で書いているような立場にいる人は、尻尾を巻いて逃げてしまうかもしれない。快感ですらある。
古代メソポタミア占星術
マイケル・ベイジェント/著
倉本 和朋 訳
太玄社(2021)
ISBN4906724701
 
占星術百科
ジェームズ・R・ルイス/著
鏡リュウジ監訳
原書房(2000)
ISBN4-562-03333-9 C0098
 占星術に関する用語事典。牽引まで含めると591ページにも及ぶ大書です。この書を手にした理由は、天王星以降の惑星が占星術に加えられた経緯、理由など。いつ、誰がといったことが、どこにも解説、記述しておらずがっかり。項目はあっても、そこに記載されている文言は普通の天文学的な内容。
世界の占星術とオカルチストたち
山内雅夫/著
自由国民社(1982)
(分)1023-(出)3234
 テレビの討論会(笑)でよく見かけた蝶ネクタイのおじさん。VS大槻教授とのバトルは笑わせてくれた人物。元テレビ・ディレクター。こんなすごい本を書いていたんですね。内容はいたって真面目であり、ディレクターとしてのリサーチ力が発揮されたかのような占星術の歴史本。資料的な価値は非常に高い辞典として、これは使えます。著者のキャラクターとは違って、「は?」というような内容ではなく、真っ当な歴史書の一端を見せてくれ、結構有用な情報をもたらしててくれます。
西洋占星術の起源
A.ブーシェ=ルクレール/著
大橋喜之訳
八坂書房(2023)
ISBN978-4-89694-343-6
 この手の本で最も高価!(汗)訳者あとがきの最後の項が686ページ。伝統的占星術の期限に迫る大書。
世界史と西洋占星術
ニコラス・キャンピオン/著
鏡 リュウジ翻訳
宇佐 和通、水野 友美子訳
柏書房(2012)
ISBN978-4-7601-3974-3 C0022
 世界史の中で占星術はどのようにして生き延びてきたか、的な内容。先の山内氏と性格を同じにする書。




★占星術の古典
タイトル/著者 タイトル/著者/出版社(出版年)/ISBN  
テトラビブロス
プトレマイオス/著
加藤賢一訳
説話社(2022)
ISBN978-4-906828-88-3

 プトレマイオスといえば、古代世界の天文学をまとめ上げた天文学者として歴史の教科書に載る人物ですが、それまでの占星術をまとめあげた占星術師でもあります。このタイトルは、プトレマイオスの話題の際に何度も目にしていた書籍でしたが、本邦初翻訳となったようです。前々から気にはなっていましたが、これが「伝統的占星術の原典」としてまとめられた、という歴史的価値以外に、私は得るところはありません(笑)。

プトレマイオス(83年頃-168年頃)

占星術または天の聖なる学 (ヘルメス叢書)
マルクス・マニリウス/著
有田忠郎訳
白水社(1993)
ISBN4-560-02288-7

占星術の原典ともいうべきマニリウス著作の占星術書。読めばギリシア神話的な叙事詩という体裁を取っていて、ギリシア神話の続編として考えるとすんなり読めます(笑)

マルクス・マニリウス(1世紀ごろ)
建築の書
ウィトルーウィウス/著
森田慶一訳
東海大学出版会(1979)

3352-020010-5110


 紀元前33~紀元前22年の間に書かれたと言われる、ウィトルーウィウス(Marcus Vitruvius Pollio B.C.80頃 - B.C.15以降。ローマの建築家)の建築書。第九書に十二星座に関する言及がされています。(レビュー

ウィトルーウィウス(B.C.80年/70?-B.C15?)
クリスチャン・アストロロジー
ウィリアム・リリー/著
田中要一郎監訳
田中紀久子訳
太玄社(2018)

ISBN978-4-906724-41-3C3011

 1647年に著された、西洋占星術の原典と思しき一冊。著者のリリー(1602-1681)の時代は天動説から地動説への切り替わりのさなか。まだ宇宙は手に触れられるぐらい近いところにあって、そうした環境にいれば、自ずと天からの影響をもろに受けてしまうと考えてしまうのも無理はないでしょうね。プトレマイオスの集大成から始まって到達した本書。天動説の時代の読み物として、シェイクスピアやチョーサーと同系列に並ぶ読み物としては面白いのでは?

ウィリアム・リリー(1602-1681)
アラン・レオの占星術
アラン・レオ著
田中要一郎監訳
黒岩健人・田中紀久子訳
太玄社(2023)

ISBN978-4-906724-84-0C0011

 テレビや新聞、雑誌などに無いと見向きもされないとも言われている星占い(星座占い)。そのほとんどがこのアラン・レオの星座占い、いわゆる太陽星座占いというヤツ。その原典となるのがこのレオ。占星術なのに色々端折ってホロスコープを使わない簡易版なんだとか。色々流派があるんですねー


アラン・レオ(1860-1917)

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