星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

アジア篇
(2019/01/24)


講座資料として漁った書籍を紹介します。



手軽な(手のひら?ポケットサイズ)というのを越え、私にとって、今まで日本の天文学をスルーしてしまっていたことを、後悔してしまったほど。今まで西洋天文学のみに目を向け、天体観望会などでも、多少の和名を説明するにとどまっていた私の祖先たちの星の世界。もうすべてが目からうろこ!もう、面白くってしょうがないといった感じにまで気分が高まってしまい、こうしたサイズの小さな中にも、次から次へと飛び込んでくる逸話の数々。これ一冊だけでも十分な知識が得られますが、更に進んでしまった私は、地面が繋がっている以上、史跡や偉人たちの眠る場所を訪ねるほどになってしまいました(笑)。




手軽な(手のひら?ポケットサイズ)というのを越え、私にとって、今まで日本の天文学をスルーしてしまっていたことを、後悔してしまったほど。今まで西洋天文学のみに目を向け、天体観望会などでも、多少の和名を説明するにとどまっていた私の祖先たちの星の世界。もうすべてが目からうろこ!もう、面白くってしょうがないといった感じにまで気分が高まってしまい、こうしたサイズの小さな中にも、次から次へと飛び込んでくる逸話の数々。これ一冊だけでも十分な知識が得られますが、更に進んでしまった私は、地面が繋がっている以上、史跡や偉人たちの眠る場所を訪ねるほどになってしまいました(笑)。




手軽な(手のひら?ポケットサイズ)というのを越え、私にとって、今まで日本の天文学をスルーしてしまっていたことを、後悔してしまったほど。今まで西洋天文学のみに目を向け、天体観望会などでも、多少の和名を説明するにとどまっていた私の祖先たちの星の世界。もうすべてが目からうろこ!もう、面白くってしょうがないといった感じにまで気分が高まってしまい、こうしたサイズの小さな中にも、次から次へと飛び込んでくる逸話の数々。これ一冊だけでも十分な知識が得られますが、更に進んでしまった私は、地面が繋がっている以上、史跡や偉人たちの眠る場所を訪ねるほどになってしまいました(笑)。




 和名の星と言ったら、今までは野尻抱影の『日本星名辞典』しか頼りようがなかった、といっても過言ではないほどの一冊ですが、2018年にその『辞典』を補足する形で出版されました。著者曰く「単に和名の事典としてではなく、暮らしの現場でそれらの和名がどのように語られたかを重視した」(はじめにより)、とのこと。




 日本という島国に、西洋諸国から来日する外国人たちを、当時の日本人たちはポルトガル人、スペイン人を南蛮人、オランダ人やイギリス人を紅毛人と区別していたようです。この書では、タイトルにあるように南蛮系、つまり初 めて日本にやって来たキリシタン時代の、キリスト教宣教師たちが日本にもたらした天文学についての研究書。いわゆるペドロ・ゴメスの『天球論』が、どのようにして日本人に理解され、流布されていったのかが考察されています。目からうろこの一冊でした。
 

 和名の星座早見盤ということで、表記がすべて和名なのかと思っていたら、ギリシア神話を主体とする西洋の星座にまじっての和名表記です。残念なことに和名表記の部分が赤で記されているのですが、実際の星空の元では、赤セロファンを貼って照らすので、その部分が消えてしまいます。

 これとは別に2018年夏にクラウドファンディングにおいて、「アイヌ・和名・琉球」の星座を掲載した『日本の星』星座早見盤が制作されました。

 

 日本という島国に、西洋諸国から来日する外国人たちを、当時の日本人たちはポルトガル人、スペイン人を南蛮人、オランダ人やイギリス人を紅毛人と区別していたようです。この書では、タイトルにあるように南蛮系、つまり初 めて日本にやって来たキリシタン時代の、キリスト教宣教師たちが日本にもたらした天文学についての研究書。いわゆるペドロ・ゴメスの『天球論』が、どのようにして日本人に理解され、流布されていったのかが考察されています。目からうろこの一冊でした。

 

 




 日本人がどうやって地面が丸く、それが地球という形をしていたかをひも解く一冊。記録に残っている書籍など、著名人のコメントなど興味深く読み進めることができました。ただ… 私は日本史が苦手(日本の天文史も含め)なので避けていましたが、一つ二つとなぞが解けていくたび、関わっている人物が地元に近い人だった(伊能忠敬とか)ことを知るにつれ、今更ながらに日本の天文学にのめり込んで行きました。そしてそれが、天文学に限らず、こうした地球といった認識に至るまで。歴史は奥が深いですね。だから、ネットで何でも調べられる時代ですが、こうした本はとてもためになります。


 


別冊太陽「伊能忠敬」(平凡社)
伊能図探検 図書館版(河出書房新社編集部)
 没後200年にあたる2018年に出版された、図版重視の本2冊。大人向け、子供向けといった趣かと思っていたら、『伊能図探検』なんて、かわいらしいイラストにひかれて軽ーい気持ちで手に取ってみたら、これがなかなかわかりやすく面白かったので、おススメ。
 


 

江戸の科学 大図鑑(河出書房新社)
 江戸の科学がビジュアルに学べる図鑑。学べると言うか、ただ眺めているだけでもなかなか楽しめます。個人的には天文学や地理といった分野が見られれば、と思って手にしたものの、ページをめくるたびに立ち止まってしまう… 日本のやるなぁ、おもしろいなぁ、と時間を忘れて。
 


 

夢の代/山片蟠桃 (岩波書店)
 

 何とこの時代に、地球以外の惑星にも人間が住む星があると説いた日本人がいたとは!井上ひさしの『四千万歩の男』にも登場する山片蟠桃の書。徹底した合理主義であり無神論者の説く宇宙像は、江戸時代にあって唯一、現代にも通じる内容には驚かされます。ただし、この書は、当時の文体で書かれているために、漢字とカタカナばかりです。校註などが上部にあり、有坂隆道、薮内清らが担当しています。一部訳になりますが、中央公論社から出版されている日本の名著23の中で『夢の代抄』があります。

圧巻は「古ヘヲ主張シ、コレヲトルモノハ愚ナリ」

有坂隆道の『山片蟠桃と大阪の洋学』が、そのころの周辺をわかりやすく解説してくれています。

 

 

 
日本洋学史の研究
 創元社からまとめられた学術的な論文集。以下に天文に関わる論文のみをピックアップします。
 
日本洋学史の研究 I
・町人天文学者の思考態度「間重富」の場合(末中哲夫)
・享和期における麻田流天文学家の活動をめぐって - 「星学手簡」の紹介(有坂隆道)

 

日本洋学史の研究 III
・「天地二球用法国名」考(海野一隆)
・江戸時代における望遠鏡製作について特に貝塚の岩崎善兵衛をめぐって(有坂隆道)
 
日本洋学史の研究 V
・司馬江漢の著書「種痘法」と銅板「天球図」について(菅野陽)
・寛政期における麻田流天文学家の活動をめぐって(有坂隆道)
 
日本洋学史の研究 VI
・司馬江漢著「天地理譚」(菅野陽)
・山片蟠桃の大宇宙論について(有坂隆道)
 

 

日本思想大系
 岩波書店から出版されている『日本思想体系』では、江戸時代に書かれた天文学の書籍を読むことができます。ただ… 先に紹介した書籍同様、当時の文体での表記(漢字とカタカナばかり)なので、それなりの覚悟が必要となります。私のお目当ては、それらを担当した著名な方々の解題や注釈などなど。以下は天文に関わりのある内容のみをピックアップします。
 
日本思想大系 43
・山方蟠桃『夢の代』(有坂隆道)
 

日本思想大系 63 『近世科學思想 下』

・小林謙貞「二儀略説」(広瀬秀雄校註)
・渋川春海「天文瓊統 巻之一」(中山茂校註)
・間重富・高橋至時「星学手簡 抄」(広瀬秀雄校註)
・近世前期の天文暦学(広瀬秀雄)
・中国系天文暦学の伝統と渋川春海(中山茂)
日本思想大系 64 『洋學 上』
・司馬江漢「和蘭天説」(沼田次郎校註/広瀬秀雄注)
 
日本思想大系 65 『洋學 下』
・ジョン・カイル著/志築忠雄訳「求力法論」(中山茂・吉田忠校註)
・高橋至時訳「ラランデ暦書管見(抄)」(中山茂校註)
・洋学としての天文学 -その形成と展開- (広瀬秀雄)

 

『蘭書訳述語攷叢』(吉野政治)和泉書院
第一篇 天文学・暦学のことば
・「地動説」ということば -中山茂氏説続貂-
・「惑星」と「遊星」
・黄道十二宮の星座名
・七曜日
 

 

『文明開化は長崎から 上・下』(広瀬隆)集英社
 こちらも天文学と関わりのある項目のみ目次からピックアップしています。
 
上:第四章 将軍・吉宗とオランダ通詞の大活躍
・天文学に傾けた吉宗の情熱
・大阪天文学への橋渡しをした三浦梅園
・本木良永がコペルニクスの地動説を解読
・不世出の天才・志築忠雄
・『暦象新書』が語った緯度一度の距離と星雲説
 
上:第六章 大阪の蘭学創始と天文学の発展
・日本を支配して来た陰陽師の天文暦学
・大阪の麻田剛立と懐徳堂と木村蒹葭堂の大サロン
・高橋至時と間重富が麻田剛立に入門
・西洋天文学による「寛政の改暦」成功とケプラーの法則
・伊能忠敬は偉人か普通人か
・高橋至時に入門した伊能忠敬が測量に旅立つ
・伊能図の寛政と仙台藩・戸板保佑の西洋暦
・『ラランデ暦書』の翻訳と伊能忠敬異聞
・魚屋・岩崎善兵衛が伊能忠敬の望遠鏡を製作
・山片蟠桃が稀有壮大な宇宙論『夢ノ代』を書く
 
下:第七章 異国船の到来と波乱の時代
・シーボルト事件と高橋景保・土生玄碩・間宮林蔵

 

〜 おまけ 〜

 (以上、くもん出版)
 子供向け(?)に書かれた物語ですが、大人が読んでも十分に読み応えはあります。くもん出版者から出版されましたが、そのうち『星空に魅せられた男』は、『星に惹かれた男たち』と大人向け(?)に書き直されて出版されました。いずれにしても、この3冊は日本の近代天文学への道を歩んだ天文学者たちの奮闘を小説にして親しみやすくしてくれた本です。

 くもん出版から出版されている月のえくぼを見た男 麻田剛立の文庫版。

 

 

 くもんから出版された『星空に魅せられた男』のちょっと大人向けに書き直された本。

 

四千万歩の男(井上ひさし/角川書店)
 単行本でも5冊に及ぶ大作。講座に併せて昨年11月に読み始じめたものの、ようやく終了… フィクションとはいえ、そのほとんどは伊能忠敬の日誌や研究書をベースに時系列を繋ぎ合わせ、日記や研究書にない部分を創作したとか。そのへんは『四千万歩の男の生き方』という別冊で明らかにしていました。
 実在の人物も数多く登場し読んでいてネタとして使えそうな部分も数多くありました。作者的には続編を考えていたらしいのですが、今となってはそれも叶わず…

 伊能忠敬は地元の人物ではありましたが大して関心も寄せていませんでした。しかし星学(天文学)を知れば知るほど重要人物の一人だったということに驚いています。今度は伊能忠敬の跡を継ぐことになる間宮林蔵(吉村昭)の本を読んでみようと思っています。

 ちなみに井上ひさしと言えば私にとって一番好きな小説が『新釈遠野物語』です。





一身二生(太田俊明/日本経済新聞出版社)
 




夢をまことに(山本兼一/文藝春秋社)
 




高橋景保一件(二宮陸雄/愛育社)
 

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