クラシックの中でも「交響曲」というジャンルはもっとも王道であり、多くの作曲家が大作、名作を残してくれました。私も最初に全曲を聞き始めたマーラーの交響曲から、ブルックナーへと興味が湧きました。今では輸入のCDなどで簡単に「全曲」聞く事が出来、ライブラリーも増えてきました。ここでは全集としての交響曲を紹介するページです。 |
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シューベルト交響曲全集(アニマ・エテルナ) | ||||||||
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古楽演奏から旋風を巻き起こしているインマーゼル率いるアニマ・エテルナによるシューベルトの交響曲全集。ここでは番号が1〜8番までで、一般に親しまれている「未完成交響曲」が第8番ではなく、第7番。そして「グレート」の名で呼ばれる第9番もひとつ下がって第8番でレコーディングされています。
私はまだまだシューベルトのシンフォニーは初心者なので、この番号には疑問が残っていますが、ここで聴く事の出来るシューベルトは、いままで堅苦しいと思っていた楽曲全てが新鮮に、「なんと食わず嫌いだったことか!!」と思ってしまいました。それほどこの演奏は楽しい!とくに各交響曲のスケルツォ楽章の楽しい躍動と言ったら!かつてクライバーの演奏で「シューベルトもいいかも…」と思っていたものの、彼は結局2曲だけだったし、他の人の演奏(たとえばアバドなどは非常に面白く聴く事が出来、私の中で「シューベルト=堅苦しい」という式が崩れていったものでした。シューベルトに限らず、この団体の演奏(レコード)には目が離せません。 |
この演奏の対抗馬としてよくチョイスするのがクラウディオ・アバド盤です。 |
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シューベルト交響曲全集/クラウディオ・アバド |
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クラウディオ・アバド(1933〜2014)が年にヨーロッパ室内管弦楽団を率いてシューベルトに集中したことがありました。この全集は4、5、6、8、9番が直筆譜を使ってのレコーディングということで話題にもなりましたが、室内オーケストラということもあって、シューベルトの意図した姿が古楽演奏と共通した香りを漂わせてくれました。これがクライバーのような「踊り」があればもっと良かったんですけどねー バラ売りは絵画で統一されていましたが、私はこちらのボックスのジャケットの方が好きですねー |
シューベルト交響曲全集/ダニエル・バレンボイム |
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「対抗」といったらウィーン・フィル対ベルリン・フィルでしょうか?なるべくなら音が良いとの理由でチョイスしたのがムーティとバレンボイムの演奏。バレンボイムとベルリンフィルのレコーディングは、カラヤン存命中に行われているので、まだカラヤンの影が見え隠れ… それを当時の解説では「フルトヴェングラーの演奏を最新デジタル録音で聴く趣き」と評しているのでしょうか? そう思うと非常に面白いしがらみで楽しめるシューベルトです。ただ、私には重たい感じのシューベルトはいかんせん、性に合わないのです。それとちょっとジャケットがねぇ、という感じ。まとめてくれたのは良いけれど、ちょいとおざなりになってやしませんか?収録の仕方もおかしいし。これ、ソニーに信頼を寄せていたカラヤンが見たら泣くよ。 第1番(1986年)、第2番(1984年)、第3番(1984年)、第4番(1986年)、第5番(1984年)、第6番(1986年)、 第8番(1984年)、 第9番(1985年)。第7番は欠番で未完成を第8番、グレートを第9番と表記してます。 |
シューベルト交響曲全集/リッカルド・ムーティ |
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1986年から1990年に掛けてセッションでレコーディングされたムーティとウィーン・フィルによる全集。恒例のニューイヤー初登場は1993だったから、そのことでムーティに白羽の矢を立てたわけではなかったんですね。この時期はモーツァルト(交響曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲などの主要曲)をジェームズ・レヴァインとやっていたから、ムーティとのシューベルトは意外でした。しかも、日本の評論家たちはこぞってムーティ批判をしていた時期。しかし当人たちはしっかりと認めていたわけですね。そして今になって、手のひらを返したようにほめたたえるレビューをずいぶん見ます。 ウィーン・フィルがムーティにシューベルトを託した成果が音にも表れ、いかにもウィーンの響きが心地よいですね。もともとバラでレコーディングされていたので、それぞれジャケットがポートレイトになってましたが、2005年にブリリアントから全集ボックスとして廉価盤としてリリースされました。まとめてくれて、安くなったのは歓迎しますが、やっぱりジャケットが… (上の写真は第9番) |
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