星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

星降る夜の深夜喫茶:ウィンナ・ワルツ編

ポケットに音楽を詰め込んで星を見に行こう

 ポケットに詰め込んで星空に持って行く音楽。ここではウィンナ・ワルツを紹介しましょう。「ウィンナ・ワルツ」といえば「ウィーン・フィルのニューイヤー」 どんな状況でも耳を傾けるたびに新鮮な気分にさせられるのは、「ウィーン・フィルのニューイヤー」おかげでしょうか。そんな新鮮な気分を味わうには、オーケストラ編成よりも、小編成のアレンジがいいです。   さてさて、何十年も続く「ウィーン・フィルのニューイヤー」では、2021年を経ても、未だに演奏されていない作品がたくさん(それも毎年の目玉になってます)あるからネタは尽きないでしょうね。そしてウィンナ・ワルツには、星に関わるタイトルが存在してくれているところにも魅力を感じます。




ウィーンっ子たち
WIENER KINDER

ウィーン・ビーダーマイヤー・ゾリデン
Wiener Biedermeier Solisten
Hans Grotzer; Violin
Jan Eckhard; Violin
Wolfgang Jelinek; Viola
Mario Schott; Double Bass

1994


 シュトラウス家を中心とした6人の「ウィーンっ子」たちの音楽を、弦楽四重奏、すなわちヴァイオリン2、ヴィオラ、コントラバス(Double Bass)という編成で、全15曲を演奏してくれています。カメラータトウキョウならではの企画でしょう(一番人気のシュトラウス2世が2曲しか入っていないというのも、カメラータだなー)。

 星のお供にポケットに仕込むには、こうした編成はぴったり! しかも眠たくならず(笑)。なんか望遠鏡を覗いている、その傍らでさりげなーくつき合ってくれている感じがたまらないです。
〜Johann Strauss(1804-1849)
♪平和の使い Op.241(Die Rriedensboten, Walzer)
♪舞踏会の夜 Op.86(Ballnacht-Galopp)
♪賛美のワルツ Op.80(Huldigungs Walzer)

〜Johann Strauss II(1825-1899)
♪証券取引所から Op.337(Von Der Borse, Polka-francaise)
♪ウィーン女性 Op.144(La Viennoise, Polka-Mazur)
♪賛美のワルツ Op.80(Huldigungs Walzer)

〜Josef Strauss(1827-1870)
♪ウィーンっ子たち Op.61(Winer Kinder, Walzer)
♪翔んでるポルカ Op.230(Im Fluge, Polka-Schnell)
♪大騒ぎのポルカ Op.69(Saus und Braus, Polka-Schnell)
♪貸し方借り方 Op.86(Soll und Haben, Walzer)
♪ウィーンのポルカ Op.13(Wiener Polka, Polka-Schnell)
♪あこがれ Op.22(Sehnsucht, Polka-Mazur)

〜Eduard Strauss(1835-1916)
♪ミツバチ(Die Biene, Polka)

〜Carl Michael Ziehrer(1843-1922)
♪名案あるかね? Op.403(Hab'ns A Idee?, Polka-Schnell)
♪放して!Op.386(Loslassen!, Polka-Schnell)





ロマンティックな人々
DIE ROMANTIKER

ウィーン弦楽五重奏団
The Vienna String Quintet
Thomas Chiristian; Violin
Peter Wachter; Violin
Hans Peter Ochsenhofer; Viola
Wolfgang Gurtler; Double Bass

1992


 アルバムタイトルの『ロマンティックな人々』は、ヨーゼフ・ランナーの作品からで、解説を読むと「この作品の感傷的な主題法、多くのパウゼによって引き起こされる溜息の効果等は、ほとんど天空の音楽のような情感を示している」とあります。このライナーを書いた解説者が、どのような「天空」を想像したのか興味あるところですが、ランナーのこの曲の前には星好きにはたまらないタイトル「宵の明星」が演奏(収録)されます。 レコードによっては「夕星」と訳されることもありますが、原題はドイツ語のAbendsterne、英語では「Evening Star」のことですから、まさに「宵の明星」でしょう。1841年、 作曲者が受けた源泉がなんだったか知りたいのですが、作曲の動機はシチリア皇太子レオポルド公に献呈されたんだとか。だから、作曲した曲に「適当に」タイトルを付けたんじゃないかぁと思ってます。

 しかし 金星がらみで調べてみると、まさにその年の5月9日に、金星がプレアデス星団の輝星エレクトラを掩蔽(エレクトラの前面を通過して隠す現象)するという現象がありました。よほど関心がない限り、こうした地味な現象に目を向ける人はいないと思うので、ライナーはヨーゼフ・シュトラウス同様、自然にはある程度の興味を抱いていたのかもしれませんね。作曲がいつかわかりませんが、1ヶ月後の6月7日にキャバレー「金の梨」で初演された、とのこと。




〜Josef Lanner(1801-1843)
♪ワルツ「宵の明星」 Op.180(Abendsterne)
♪ワルツ「ロマンティックな人々」 Op.167(Die-Romantiker)
♪シュタイル風舞曲 Op.165(Steyrische Tanze)
♪ワルツ「募集者」 Op.103(Die Werber)

〜Johann Strauss(1804-1849)
♪ケッテンブリュッケン・ワルツ Op.4(Kettenbrucken-Walzer)
♪エクゼター・ポルカ Op.249(Exeter-Polka)
♪ワルツ「インドの舞姫」 Op.53(Bajaderen-Walzer)
♪サロン・ポルカ Op.161(Salon-Polka)

〜Johann Strauss II(1825-1899)
♪新・ピチカート・ポルカ Op.449(Neue Pizzicato-Polka)
Johann Strauss II/Josef Strauss(1827-1870)
♪ピチカート・ポルカ Op.449(Neue Pizzicato-Polka)




シェーンブルンの人々
DIE SCHONBRUNNER

ウィーン・ビーダーマイヤー・ゾリデン
Wiener Biedermeier Solisten
Hans Grotzer; Violin
Michael Schierhuber; Violin
Wolfgang Jelinek; Viola
Mario Schott; Double Bass


 アルバムジャケットを見てもわかるように、通常のカルテットではなく、チェロの代わりにコントラバスというさらに低音域が加わっています。先のウィーン弦楽五重奏団からチェロを引いた編成です。
〜Josef Lanner(1801-1843)
♪モーツァルト党 Op.196(Die Mozartisten)
♪シェーンブルンの人びと Op.200(Die-Schonbrunner)

〜Johann Strauss I(1804-1849)
♪シャンペン・ギャロップ Op.8(Champagner-Galopp)
♪天使のワルツ Op.68(Gabrielen-Walzer)
♪旅行ギャロップ Op.85(Reise Galopp)
♪サロン・ポルカ Op.161(Salon-Polka)

Johann Strauss II(1825-1899)
♪浮気心 Op.319(Leichtes Blut)
♪都会と田舎 Op.322(Stadt Und Land)

〜Josef Strauss(1827-1870)
♪ギャロップ・ポルカ Op.23(Galoppin-Polka)
♪古き良き時代 Op.26(Die Guten, Alten Zetten)

〜Eduard Strauss(1835-1916)
♪エン河のほとりで Op.121(Unter Der Enns)

〜Trygve Madsen(1940-)
♪トトロ・ポルカ(Stacheischweinpolka)






ウィーンの森の物語
GESCHICHETEN AUS DEM WIENER WALD

ウィーン・リング・アンサンブル
Wiener Ring Ensemble
Rainer Kuchl, Eckhard Seifert; Violin
Heinz Koll; Viola
Franz Bartolomey; Cello
Alois Posch; Contrabass
Wolfgang Schulz; Flute
Peter Schmidl, Johann Hindler; Clarinet
Gunter Hogner; Horn


 オープニング(1曲目はウィンナ・ワルツと言えば!の「美しく青きドナウ」です)のアレンジからして誰もが期待する展開が広がります。メンバーはウィーン・フィルの9名で編成されています。
〜Johann Strauss II(1825-1899)
♪アンネン・ポルカ Op.117(Annen-Polka)
♪トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214(Tritsch-tratsch Polka)
♪美しく青きドナウ Op.314(An Der Schonen Blauen Donau)
♪ウィーンの森の物語 Op.325(Geschichten Aus Dem Wiener Wald)
♪ウィーン気質 Op.354(Morgenblatter)
♪春の声 Op.410(Fruhlingsstimmen)
♪皇帝円舞曲 Op.437(Kaiserwalzer)

〜Josef Strauss(1827-1870)
♪ ワルツ「天体の音楽」 Op.235(Spharenklange)

〜Johann Strauss II/Josef Strauss
♪ピチカート・ポルカ(Pizzicato-Polka)





SOIREE DANSANTE

Johann Strauss Ensemble
Johannes Wildner; Violin
Kurt Konrad Weidenhozer, Wolfgang Schuchbaur ; Violin
Kurt Letofsky; Viola
Peter Roczek; Violoncello
Firmin Pirker; Contrabass
Rudolf Huber; Flute
Clemens Horak; Oboe
Reinhard Wieser; Clarinet
Leo Cermak; Fagott
Josef Eder, Alois Schlor; Horn


 『シュトラウス一族の室内楽編曲集』と訳されたアルバム。父(ヨハン)1曲、長男(ヨハン2世)5曲、次男(ヨーゼフ)3曲、三男(エデュワルド)1曲 というシュトラウス一家の作品が演奏されています。なんといっても嬉しいのは(手にした理由は)ヨーゼフのワルツ「天体の音楽」。フルオーケストラによる演奏もさることながら、こうした小編成のアレンジでもその情景は目の前に広がってくるようです。
 ウィーン交響楽団による12名で編成されています。 リング・アンサンブルと違って、管楽器の人数が増えた分、そしてウィンナ・ホルンが倍になった効果で、スケール感もあるようです。
〜Johann Strauss(1804-1849)
♪フォルトゥナ・ギャロップ Op.69(Fortuna-Galopp)

〜Johann Strauss II(1825-1899)
♪喜歌劇「ウィーンのカリオストロ」 序曲(Cagliostro in Wien: Overture)
♪トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214(Tritsch-Tratsch Polka)
♪ワルツ「加速」 Op.234(Accellerationen)
♪ワルツ「朝刊」 Op.279(Morgenblatter)
♪ペルシャ行進曲 Op.289(Marche Persanne )

〜Josef Strauss(1827-1870)
♪ 誘惑ポルカ Op.233(Lock)
♪ ワルツ「天体の音楽」 Op.235(Spharenklange)
♪ ポルカ・マズルカ 「解放された女」 Op.282(Die Emancipirte)

〜Eduard Strauss(1835-1916)
♪ポルカ・シュネル「さあ、逃げろ!」Op.73(Auf und davon)






NEW YEAR'S CONCERT: THE COMPLETE WORKS

Mitglieder der Wiener Philharmoniker
Rainer Honeck, Raimund Lissy; Violin
Tobias Lea; Viola
Tamas Varga; Violoncello
Herbert Mayr; Contrabass
Dieter Flury; Flute
Clemens Horak; Oboe
Norbert Taubl, Johann Hindler; Clarinet
Manuel Huber, Wolfgang Vladar; Horn


 1939年のニューイヤー・コンサートから75周年目の2015年にまとめられた全319曲23枚組のボックスセット。なので、ポケットに入りきらないそのボックスの、23枚目にある「初期に演奏され、録音が残されていない13曲を、室内アンサンブル用に編曲し、コンサートマスターのライナー・ホーネックをリーダーとするウィーン・フィルハーモニー・アンサンブルによって2015年2月に新たにセッション録音した」という一枚を持っていきましょう(笑)。メンバーの中にはカメラータ・トウキョウからソロ・アルバムを出しているディーター・フルーリーを含め、11名。

  その23枚目は、ボックスのためにレコーディングされました。残念なことに、このディスクは分売をしていないので、ちょっと貴重でしょうか? 

〜Johann Strauss II(1825-1899)
♪「オーロラ・ポルカ」Op.165(Aurora Polka)
♪ ワルツ「思想の飛翔」Op.215(Gedankenflug, Walzer)
♪「電信」Op.318(Telegramme, Walzer)
♪ワルツ「おお美しい5月」Op.375 (O Schoner Mai !, Walzer)
♪「ルイーズ・ポルカ」Op.339(Louischen, Polka)
♪ワルツ「新しいウィーン」Op.342(Neu Wien)
♪「愉快な戦争」序曲 (Der Lustige Krieg)

〜Josef Strauss(1827-1870)
♪ ポルカ・シュネル「楽しきキャンプ」Op.19 (Lustlager-Polka)
♪ ポルカ・シュネル「昼と夜」Op.93(Tag Und Nacht, Polka)
♪ ポルカ・フランセーズ「愛する瞳」Op.185 (Verliebte Augen)
♪ ワルツ「ドイツの挨拶」Op.191(Deutsche Grube, Walzer)
♪ ポルカ・フランセーズ「文字」Op.252(Buchstaben-Polka)

〜Eduard Strauss(1835-1916)
♪ポルカ・シュネル「軽やかに、匂やかに」Op.206(Luftig Und Duftig. Polka Schnell)


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