1964年にヴァイオリンとピアノのために書かれた4つの夜想曲。「夜の音楽 II」という副題を持っているので、夜想曲ファンとしてはワクワクしてしまうのですが、実際は現代音楽である、ということを肝に銘じて聴かないと見事に裏切られてしまいます。 この曲は楽器の様々な音色を追及するというクラムの個性が現れ(まぁ、いわゆる現代音楽なので無調音楽です)、ヴァイオリンにしてもピアノにしても、正統的に音を出すばかりではなく、楽器のフレームを素手で叩いたり、ワイヤーブラシでこすったり、(ピアノの弦を)弾いたり… さまざまな方法で音を紡ぎだしていきます。 初演は作曲された翌年クラムのピアノ(対等に演奏するので伴奏ではない)、ポール・ズコフスキーのヴァイオリンで1965年に行われました。