Photo by Toshiharu Minagawa.


SHADOWFAX / Shadowfax(WH-1022)
Produced by Chuck Greenberg.

01. Angel's Flight
02. Vajra
03. Wheel of Dreams
04. Oriental Eyes
05. Move the Clouds / Karmapa Chenno

06. A Thousand Teardrops
07. Arik
08.Marie

G.E.Stinson ; Guitars, Piano
Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass
Stuart Nevitt ; Drums, Percussions

Windham Hill Records, 1982

 

01. Angel's Flight (G.E.Stinson)
G.E.Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Emil Richards; Windchimes, Bells
 
02. Vajra(Chuck Greenberg/G.E.Stinson)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Alex de Grassi; Guitars(R Channel) / Emil Richards; Bass, Bell, Tambourine
 
03. Wheel of Dreams(G.E.Stinson)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Emil Richards; Vives
 
04. Oriental Eyes (Chuck Greenberg)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Bruce Malament; Fender Rhodes / Emil Richards; Conga, Vives
 
05. Move the Clouds / Karmapa Chenno (Don Cherry)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Jamii Szmadzinski; Violin
 
06. A Thousand Teardrops (Chuck Greenberg /G.E.Stinson)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Scott Cossu; Piano
 
07. Arik(G.E.Stinson)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Emil Richards; Percussion
 
08.Marie(G.E.Stinson)
G.E. Stinson ; Guitars, Piano / Chuck Greenberg ; Lyricon, Soprano Sax
Phil Maggini ; Bass / Stuart Nevitt ; Drums, Percussions
Jamii Szmadzinski; Violin
 

 

 日本では本国に遅れること1年、2ndアルバムが1stとして紹介されたシャドウファクス。本国では1年前に、このアルバムがリリースされているので、本来はこれがウィンダム・ヒルでのデビュー作品です。当然のことながら、私もこのバンドは2nd→1stという順番でした。
 【SHADOWDANCE】のレビューでも書きましたが、最初に彼らの音を耳にしたのは、日本独自のオムニバス『心の美術館』に収録されていた♪Shadowdanceです。本国からリリースされた『WINDHAM HILL SAMPLER1982』には、デビュー作に収録されているスコット・コッスがゲスト参加の ♪A Thousand Teardropsが収録されています。
 ベストアルバムなんか、日本人とアメリカ人の好みの差が出ているようで、こうした国別による選曲を眺めているだけでも面白いですね(もっとも、ポピュラー音楽では珍しいことではなく、大抵はその国でヒットした曲をリサーチして収録しますが…)。だから『心の美術館』に♪Shadowdanceが選ばれたのは無理もないことでしょう。

 チャック・グリンバーグの奏でるリリコンという楽器は、これまで一度も耳にしたことのない音色で、特に高音から低音までが、たった一本の楽器から奏でられていたのを知ったときは、ちょっとしたカルチャーショックに似たものを覚えました。そして木管楽器としての音色とはまた違って、電気処理を行っている音は、バンドサウンドのエキゾチックな異国情緒を感じせずにはいられません。

 それまでのレーベルはアコースティック・サウンドのみというイメージでしたが、そんな偏ったレーベル・イメージを払拭させるかのように、電気的でありながら、アコースティックなテイストもブレンドし、中性的なサウンドを提供してくれました。
 しかし、オープニングのスティンソンのギターで始まり、グリーンバーグのリリコンが被さる、というもっともウィンダム・ヒル的に立ち上がりでした。さすがにレーベルイメージをいきなり否定するかのようなエレクトリカルなオープニングは避けたかったのではないでしょうか(笑)。

 オープニング曲♪Angel's Flightは、このバンドの代表曲でもあり、レーベルのイメージであり、アルバムジャケットの雰囲気が最大限に生かされている感じがします。そして、このバンドにとって、もっともリリカルな楽曲です。全編がそうした曲調に偏っていないところは、レーベルの新しい面を賭けているかのようでもあります。アコースティックとエレクトリック、パーカッションが活躍する楽曲などは、かなりエキゾチックです。