ウィンダム・ヒルの掲示板
Photo by Toshiharu Minagawa.


WH-1017
BREAKFAST IN THE FIELD / Michael Hedges

01.Layover
02.The Happy Couple
03.Eleven Small Roaches
04.The Funky Avocado
05.Baby Toes
06.Breakfast In The Field
07.Two Days Old
08.Peg Leg Speed King
09.The Unexpected Visitor
10.Silent Anticipations
11.Lenono

Windham Hill Records, 1981

Produced by William Ackerman.


01.Layover
Michael Hedges ; Guitar

02.The Happy Couple
Michael Hedges ; Guitar

03.Eleven Small Roaches
Michael Hedges ; Guitar

04.The Funky Avocado
Michael Hedges ; Guitar / Michael Manring ; Fletless Bass

05.Baby Toes
Michael Hedges ; Guitar / Michael Manring ; Fletless Bass

06.Breakfast In The Field
Michael Hedges ; Guitar

07.Two Days Old
Michael Hedges ; Guitar / Michael Manring ; Fletless Bass

08.Peg Leg Speed King
Michael Hedges ; Guitar

09.The Unexpected Visitor
Michael Hedges ; Guitar

10.Silent Anticipations
Michael Hedges ; Guitar

11.Lenono
Michael Hedges ; Guitar / Michael Manring ; Fletless Bass / George Winston ; Piano


 ギターのチューニングを思わせるオープニング。ビートルズの“Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band”や、イエスの“You And I”の出だしを思わせます。そして、その後に続く「何か」が始まる予感を抱かせてくれます。

 オーバーダビングはしていないというクレジット(This was recorded without overdubs...)を目にしていても、このアルバムから聞こえてくる音は、未だに信じられないし、アッカーマンが“It's a magic !”と叫んだのも無理はなく、何度聞き返しても新鮮なアルバムです。とかくマイケルの奏法に目(耳)を奪われてしまいますが、その演奏を余すところなく録りきったプロデューサー、つまりアッカーマンの仕事にも注目したいアルバムです。

 シンプルな曲ほど「どうやって弾いてるの?」と思って聴いてしまいますが、この1stアルバムから子弟の関係にあるマイケル・マンリングとのファンキーでロック寄りな掛け合い(4、5)を体験することができます。“The Funky Avocado”のまさにファンキーな絡みは、お互いのミュージシャンシップの高さがデビューアルバムから発揮されていることでしょう。マンリングの歌うようなメロディをサポートするマイケル。ライヴでは独演中にローリング・ストーンズの“Miss You”などを織り込ませたりして、変幻自在の演奏を披露してくれます。

 私は3曲目の“Eleven Small Roaches(11匹の小さなはや)”という印象派的なタイトルが好きなのですが、1987年に【サンタベアの小さな大冒険】の中で“11匹の仔熊”と改題してレコーディングをし直していますが、本人にとっても、よほどのお気に入りなのでしょうか。
 また、ウィンダム・ヒルファンとして注目したいのはラストに収録されている“Lenono”。これはメロディを聴いても分かる通り、ジョン・レノンに向けて作曲された曲で、凶弾に倒れたジョンを偲んでレコーディングされました。マンリングがはっきりと奏でる“Imagine”のベースラインに加え、ジョージ・ウィンストンのピアノもフューチャーされています。タイトルにあるLenonoとは、ジョンとヨーコのことです。国内盤の解説にはブライアン・イーノへの言及がありましたが、マイケルがビートルズ狂であることを忘れてはいけません。

 ファンとしてはマイケル早弾きに期待したいところでしょうが、ライヴで初体験した“Silent Anticipations”の衝撃は今もって忘れることはできません。最前列で見ていた私の目の前でギターの弦はおろか、ボディは叩きまくるアフロヘアーを振り乱すで、こっちに突っ込んでくるのではないかと思ったほどです。弦を叩いていましたが演奏中に切れることはなく、その後、彼のステージでのお約束として、チューニング中にわざと弦を切って、お尻のポケットから新しい弦を取り出し、その場で取り替えるといったことも、初めて体験しました。タイトルとは裏腹な烈しいタイプの曲で、ステージウケしました。これをレコーディング中にアッカーマンが先の言葉を吐いてしまったというのは当然のことではないでしょうか。『ウィンダム・ヒル・ライヴ』でその烈しいパフォーマンスを観ることができます。
 

 どの曲を聴いても言えるのが、曲の素晴らしさでしょう。マイケルのソングライターとしての豊かな才能が開花したアルバムで、馴染みやすいメロディライン。のちに多くのフォロワーを生み出すことになりますが、そうしたアーティストが口を揃えてマイケルに対して「とにかく曲がいい」とコメントしていることからも伺えます。

〜Discography〜
BREAKFAST IN THE FIELD (Windham Hill, 1981)
AERIAL BOUNDARIES (Windham Hill, 1984)
SANTABEAR'S FIRST CHRISTMAS* (Rabbit Ears, 1986)
THE SHAPE OF THE LAND (Windham Hill,1986)
LIVE ON THE DOUBLE PLANET (Windham Hill,1987)
WATCHING MY LIFE GO BY **(Open Air, 1987)
TAPROOT (Windham Hill, 1990)
PRINCESS SCARGO & THE BIRTHDAY PUMPKIN *(Rabbit Ears, 1993)
THE ROAD TO RETURN (Windham Hill, 1994)
ORACLE (Windham Hill, 1996)
TORCHED (Windham Hill, 1999)
BEST OF MICHAEL HEDGES(Windham Hill, 2000)
MICHEL HEDGES : BEYOND BOUNDARIES, GUITAR SOLOS(Windham Hill, 2001)
PATINUM & GOLD COLLECTION(Windham Hill, 2003)

*Rabbit Earsより。**Open Airより。