メガネを使いだしたのはいつからだったろうと昔の記憶をたどってみると、高校卒業のあと、車の免許を取得するので作ったような気がする。そのときは今ほど悪くはなかったので、眼科で相談したところ「乱視が入っているけど、メガネを掛けるにはもったいない視力よ」と言われた。それでも車を運転するにいたっては、そのおかげで人命に関わるかもしれないと思っていたから、先生の助言を聞き流してメガネを作ったのである。
あれから十数年たった今、先生の言ったとおりメガネを掛けたおかげでずいぶん視力が落ちてしまい、メガネがないと良く見えないほどにまでになってしまった。そのせいで一番ショックを受けたのは、メガネ越しでしか星の光を見ることができなくなってしまったことだろう。人に言わせればそんなことは大したことじゃないと言われてしまうかもしれないが、はるばるやってきた星の光をメガネのガラス越しでしか捉えることができなくなってしまったので、肉眼(裸眼)で生の光を見ているような気がしない。なんだかテレビとかを通じて見ているような気がしてならないからだ。
そんなメガネも作ってからだいぶ経ち、どんどん低下する視力には合わなくなってきた。まだ見えるといっても、車を運転していると見にくいシーンが(特に夜間の雨天時)多くなってきたので、作り替えることにした(不思議なことに「そろそろ作り替えなきゃなぁ」などと思いだしたとたん、今まで掛けていたメガネがどこかに消えてしまったのである。こういうことは、眼鏡に限ったわけではなく、例えば傘なんかも「そろそろ新しいのにしたいなぁ」などと思うものなら、電車に置き忘れてしまったりすることが多々ある。これは何かの警告なんだろうか?)。
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