星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)


 星の講座で題材に取り上げて興味を持ったのが、和名や七夕信仰や寿星。そしてもうひとつお月見があります。そのお月見も、普通に十五夜、中秋の名月ではなく二十三夜、二十六夜といったお月見信仰。色々と調べているうちに、ああ、日本人に生まれて良かったと言った自然に対する気持ちの現れから、月に対する信仰が始まり、広まったことがわかり、なんだかとても嬉しく思いました。

 私は当時の人々のような信心深い人間でもなければ、お月見の信仰を持っているわけではありません。そんな私でも、各地に残っている石碑などの風化した姿を見ては、そこに刻み込まれた人々の思いと星空への畏敬の念を重ねて合わせて探すようになってしまいました。

 お月見の信仰がなくても月を眺めていたのは星好きなら当然のことですが、長野の姥捨までお月見にいったのは例外的な行動だったかも知れません。

 

 

月齢23
 
2016年3月3日06h03m(月齢23.3)
2015年10月7日05h18m(月齢23.6)
 下弦(半月)を過ぎる頃から、月の出が日付けが変わってから登ってくるようになります。この日はぎりぎり23:21、静かに登場東の空に顔を出していました。布団に入り、目が覚めると、ゆっくりと移動して薄暮の残る南西の空にくっきりと白い光をなげかけてくれていました。
2015年10月7日05h18m(月齢23.6)
 夕方の西の空に掛かる月齢6の裏バージョン。この日の月の出は00h16m。昨日よりも遅く、日付が変わってから人知れず東の空に昇り、人々が寝息を立てている頃、ゆっくりゆっくりと天高く昇り、明け方の南の空に残ります。

 昔からの風習、特に1月、5月、9月の23日は「二十三夜」と言ってお月見をしたようです。各地に残されている道辻の石仏に、文字だけで書かれた「二十三夜」を見つけると、ここでお月見が行われ、奇跡が起きた記念に建てられたんだろうなぁと、周辺の近代化との差を楽しんで眺めています。
 昔から日本人に限らず、月への信仰が残っています。特に1月、5月、9月の23日は「二十三夜」と言ってお月見をしたようです。各地に残されている道辻の石仏に、文字だけで書かれた「二十三夜」を見つけると、ここでお月見が行われ、奇跡が起きた記念に建てられたんだろうなぁと、周辺の近代化との差を楽しんで眺めています。
 

 

月齢26
2015年10月10日05h11m(月齢26.6)
2015年10月10日04h47m(月齢26.6)
 いわゆる三日月の形で東の地平線から昇ってくる月齢26。明け方近く、薄暮の中に美しい弓の形を見つけることができます。 薄暮が濃くなると、地球照によって月のまん丸の形がわかるようになります。
2015年1月18日06h12m(月齢26.8、月出04h07m)
2015年1月18日06h12m(月齢26.8、月出04h07m)
 
先の二十三夜に続き、道辻で見かける石仏に「二十六夜塔」があります。古来、日本では1月と7月に「二十六夜待ち」といって観月でにぎわったそうです。ふつう考えるお月見は宵のうちに行うものですが、この二十六夜ともなれば、月の出は明け方の頃。さすがに1月の風習は寒さで廃れてしまったとか。
歌川広重に代表される「月見」を見ていたら、二十六夜待ちが各地で行われ、その地に行ってこの目で確かめたくなり、「星のまつり」に合わせる形で、観月めぐりをしてきました。
 
 
昔は、この男坂の上から上総からやってくる(魚を乗せた)舟の姿を見ることができ、男坂に生えていたイチョウを目印に入舟していたそうです。そのイチョウの隣に、君が代に歌われているさざれ石が鎮座しています。

神田明神の社務所の方にお話を伺がおうと思ったところ、まったく興味が無さそうでした(かえって迷惑がられた)。
かつて九段下の武道館によくライヴを聴きに来たもんです。最後に来たのはいつ?誰だったかなぁ。サラリーマンが足早に地下鉄入り口に向かって通り過ぎていきました。ここも月見の面影はなく… 
 
品川の駅から、高輪の石垣を見て、「月の岬」や「月の渓谷」を歩いてきました。こう呼んでいるのは地元の人ぐらいだとのことで、ここもお月見の名残は見られませんでした(見つけられなかった)。西の空には月が掛かり、田端の駅までブラブラ。上記の写真は田端駅前の歩道橋から。
 
日暮里駅北口を出て、矢中に向かう途中の右手にある「本行寺」を別名「月見寺」というのだそうです。確かに重厚な山門に月見寺という看板が掛けられています。谷中は猫が多いことでも有名ですが、寺内の墓地にもたくさんの猫が日向ぼっこしていました。月に関するアイテムを見つけられず、看板のみ。
 
 
 

お月見信仰のあった地域には二十六夜山という名の山が存在しています。
山梨県上野原市「秋山の二十六夜山」標高971M
山梨県都留市「道志の二十六夜山」標高1297M

最近行ったのは秋山の二十六夜山



入り口まで行ったとはいえ、装備も何もしていないので、いわゆる下見だけで…


名月三大観賞池
大沢池(京都)、猿沢池(奈良)、石山寺 (奈良)

名月三大名月の里
姨捨(長野)、桂浜(高知)、石山寺 (奈良)

日本百名月


もどる(寿老人を訪ねて)

home(一番星のなる木)