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“現在、過去、未来のすべて、これが宇宙です” セーガン博士は、人類が宇宙という名の渚に出帆しようとしている、と言う例えから、オープニングに海岸を選び話を進めます。 |
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セーガン博士は宇宙旅行に誘う前にこう言います。 “想像力と懐疑心が大切であること” そして好奇心。空想と現実を見極めること。そして僕たちはタンポポの種の綿毛の宇宙船に乗り込んで、150億光年彼方の宇宙からふるさと地球を目指すたびを始めます。 |
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この番組以降、地球外知的生命に関する話が登場する番組や書籍が増えたような気がします。つまりこの『コスモス』が先駆けとなりました。 |
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セーガン博士、パルサーにぶつからないように宇宙船を操縦しています。これは科学番組ではなくスターウォーズ並みの番組構成と想像力ではないでしょうか?ときどき無茶な操縦を楽しむことをする博士。結構、自分の操縦(演技)に酔いしれているところも。。。 もうひとつ、私がこの番組を見て思うのは、これはただの科学ドキュメンタリーではないということ。単に宇宙を扱ったものではなく、この母なる宇宙を理解し始めた人類への賛歌であることを強く感じます。 |
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宇宙関連の番組で、ここまで人類の正も負もさらけ出すプログラムは見たことがありません。 『コスモス』と平行して執筆していた『コンタクト』で、主人公のエリーがヴェガで知的生命から セーガン博士が言いたいことは、一般の人たちへ宇宙や科学をもっと親しみやすく理解してもらおうという啓蒙的なことにとどまらず、そのためにはまず世界が協力し、平和を保つことを訴えたかったのではないかと思います。 そして素晴らしいことに、その思いは地球上の多くの人々のここに届いたことではないでしょうか。 地球に戻った僕たちは、セーガン博士の案内で紀元前三世紀のアレキサンドリアへと連れて行かれます。宇宙番組で、こういった展開はまさにコスモスならでは。
旅の出発点は、自分たちのことから知る、という意味で地球を計った男の話から始まります。その男はβ(ベータ)というニックネームを持つエラトステネス。 セーガン博士は当時のアレキサンドリアを偲ぶために荒れ果てた遺跡に佇み、乾いた風の音を聞かせてくれます。僕は、そうした風の音を聞くのが好きで、旅先でもよく経験します。古のときを感じさせてくれるので好きです。 宇宙史の中では大発見とも思えるエピソード、たとえば… |
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これらは、比較的良く知られたエピソードですが、エラトステネスのエピソードは、この番組で始めて知ったし、しかも、とても単純な実験で、ちょっと考えれば誰にでもできる実験だったのです。 |
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導入エピソードとしては、これ以上シンプルな話はないかもしれません。つまり宇宙を知る入り口で、自分たちの地球のことを扱ったエピソードからわかりやすく入り、この番組に惹きつけられるという効果。道具のまったくなかった時代に、これは大発見でしょう(このエピソードは、私の観察会の中で何度も使わせてもらっています)しかも、その実験をアレキサンドリアという渇いた土地で実際に行っています。 |
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古代アレキサンドリア図書館の遺跡に来たセーガン博士。扉の前に落ちていた缶を思わず蹴っとばしています。世界的重要文化財(地域)とかじゃないのかなぁ、と心配してみたりしています。 |
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宇宙カレンダー 上の単位では、私たちの時代はほんの瞬き程度。その中に500年も含まれています。宇宙カレンダーができて多ところででこの章は終わります。これは次のエピソードへの橋渡しになっています。 |
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