星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 星のソムリエを取得してからは、地元以外での講座を企画していただくことが増えました。その際、企画元の担当の方から「今度はこんな話をして欲しい」といったリクエストを受けるのですが、まったく手つかずだったジャンルのリクエストを受けるたびに「これはもっともっと幅広い知識が必要だな」と痛感するようになりました。その時に思い出したのがカール・セーガンの言葉です。

「宇宙を知るためには、すべてのことを知る必要がある」

  実際には、セーガン博士が学生の頃、自分の担当教授からいわれた言葉だったらしく、そのことを読んでハタと思い出したのが、セーガン博士の『コスモス』の幅広いジャンルに渡るエピソードの数々。「なんでこれが宇宙と関係があるんだろう」といった疑問が、各エピソードの中に、かならず一つはありましたが、彼が恩師から受けた言葉を読んで納得。自分もそうであるべきだと思い、今は様々な、およそ天文とは直接関係ないだろうといった本にまで手を出しています。

 嬉しいのは、そうしたことを良く講座が終わった後に言われることです。「星の話を聞きにきたのに、音楽と関係があるとは思ってませんでした」とか、「最近読んだ小説が取り上げられていて、思わず引き込まれました」とか。

 かねがね思ってたのですが、関係ないと思われることにも、必ず宇宙と関わっているということ。確かに、この世のすべてはビックバンという一つの場所から始まったわけですから。
  なので、今さらながら、そういった本に手を出している次第です(笑)。ここでは直接的な天文史を始め、畑違いのようであるけれど、ちょっとは関わるような書籍も紹介します。ただ、そうした本を読んでいると、意外な繋がりがエピソードとして紹介されていたり、「へぇぇ、そうだったのか」







天文学の歴史/ヘザー・クパー、ナイジェル・ヘンベスト共著
東洋書林から姉妹書に『ギリシア神話の世界』がありますが、こちらも同じように重厚な体裁で、ずっしりと重く、そうした重量に似合った濃い内容です(笑)。

 『ギリシア~』と違って、ハードケースに収められ、気軽に手にして読むという雰囲気は全くなく辞典的な感じですが、内容はカラーなどの図版が多く収録されていて、さすが「ビジュアル版」とうたっているだけあり、重たくなってしまっているのは仕方ありません。また、ビジュアル版とは言っても、美しい天体の写真を豊富に載せているのではなく、歴史的な人物や事象などを解説するイラストなどが多く、それらを求めてしまうと、ちょっと路線が異なってしまうかもしれません。しかし、ここまで「天文学の歴史」だけにこだわった一冊は、これまでにはなかったものです。そういう意味でも、宇宙を、星を眺めるときに、自分たちの歴史を振り返ることができる読み応えのある書物であることは間違いありません。




天文学史/桜井邦明
 人類が誕生して最初に芽生えた学問が天文学であるという話を良く耳にしますが、人類が辿ってきた天文学の歩みを「天文学史」と名づけて、時代毎にエポックメイキングとなった事柄や人物にスポットを当て、コンパクトにまとめられています。そうした歴史がポケット(に入れるには少々厚めの文庫なのでいささか無理はありますが)に入り、気軽に読めるというのは非常に嬉しいものです。
 私の興味は「近代天文学の夜明け」と言われる時代の動き。特にコペルニクス以降、ニュートンまでの天文学に惹かれます。これは「近代への移行期」(P93)と「近代の天文学I」(P166)で読むことができました。非常にわかりやすくまとめられていて、おもしろく読むことができました。

 この本は1990年に出版され、2007年に文庫化されたものです。文庫ということで携帯に便利ですが、体裁が私が慣れているレイアウトと違って、左開横組です。

 





天文学史/桜井邦朋
それでも地球は回っている―近代以前の天文学史/ 青木満

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