夜想曲(ノクターン)といえば、今ではすっかりショパンの代名詞にもなっていますが、ショパンにそれを書かせるきっかけを作ったのはアイルランドの作曲家ジョン・フィールドです。今では歴史の片隅に忘れ去られ、名前が出ることがあっても、そのほとんどがショパンのノクターンの解説で、「フィールドが夜想曲の創始者」と語られるぐらいになってしまいました。

 

夜想曲リスト(ショパンが書きはじめるまで)
作曲者
曲名(ノクターン) 作曲年
ジョン・フィールド(1782-1837) 第1番変ホ長調Molto moderato 1812
ジョン・フィールド 第2番ハ短調Moderato e molto espressivo 1812
ジョン・フィールド 第3番変イ長調Un Poco Allegretto 1812
ジョン・フィールド 第8番イ長調Andante 1815
ジョン・フィールド 第9番ホ長調Andantino 1816
ジョン・フィールド 第4番イ長調Poco adagio 1817
ジョン・フィールド 第5番変ロ長調Andantino 1817
ジョン・フィールド 第6番ヘ長調Andante 1817
ジョン・フィールド 第7番ハ長調Moderato 1821
ジョン・フィールド 第10番ホ短調Adagio 1822

 フィールドは1822年のホ短調から1832年のホ長調まで、ノクターンの作曲にブランクを開けました。ショパンはその間からノクターンの作曲を始めています。



夜想曲リスト(ショパンが書きはじめてから)
作曲者
曲名(ノクターン) 作曲年
フレデリック・ショパン(1810-1849) 第19番ホ短調 1827
フレデリック・ショパン 第20番変嬰ハ短調 1830
フレデリック・ショパン 第1番変ロ短調 1830-31
フレデリック・ショパン 第2番変ロ長調 1830-31
フレデリック・ショパン 第3番ロ長調 1830-31
フレデリック・ショパン 第4番ヘ長調 1830-31
フレデリック・ショパン 第5番嬰ヘ長調 1830-31
ジョン・フィールド 第17番"Grande pastorale"ホ長調Lento 1832
ジョン・フィールド 第18番"Le midi"ホ長調Allegretto 1832
ジョン・フィールド 第11番変ホ長調Moderato 1833
フレデリック・ショパン 第6番ト短調 1834
ジョン・フィールド 第12番ト長調Lento 1834
ジョン・フィールド 第13番ニ短調Lento 1834
フレデリック・ショパン 第7番嬰ハ短調 1835
ジョン・フィールド 第14番ハ長調Molto moderato 1835
フレデリック・ショパン 第8番変ニ長調 1835
ジョン・フィールド 第15番ハ長調Molto moderato 1836
ジョン・フィールド 第16番ヘ長調Molto moderato 1836
フレデリック・ショパン 第9番ロ長調 1836-37
フレデリック・ショパン 第10番変イ長調 1836-37
フレデリック・ショパン 第11番ト短調 1838
フレデリック・ショパン 第12番ト長調 1839
フレデリック・ショパン 第13番ハ短調 1841
フレデリック・ショパン 第14番嬰ヘ短調 1841
フレデリック・ショパン 第15番ヘ短調 1843
フレデリック・ショパン 第16番変ホ長調 1843
フレデリック・ショパン 第17番変ロ長調 1846
フレデリック・ショパン 第18番ホ長調 1846
ジョン・フィールド "Le Troubadour"ハ長調 (1957出)
ジョン・フィールド 第19番"変ロ長調Andantino (1990出)
フレデリック・ショパン 第21番ハ短調 ---