ジェームズ・レヴァイン(1943-2021)を知ったのは、マーラー・ブームが過熱した1980年初頭で、交響曲第5番のアルバム・ジャケットでした。実際に音を聴いたのはずいぶん後のことで、指揮者というよりもスコット・ジョプリンのピアノ作品、そしてプーランクの室内楽作品からだったと思います。それにしても彼のディスコグラフィを眺めてみると、同郷のアメリカのオーケストラのほか、ヨーローッパのウィーン・フィル、ベルリン・フィルとの共演が多く、私のライブラリーにも並んでいます。
レヴァインも当時は(当たり前だ)若手~中堅どころとして活躍していましたが、フィラデルフィア管弦楽団を指揮してのこのマーラー(上)は、悪く言えば「暑苦しい」そのジャケットのインパクトが強く、バーンスタインに続いて手を出した指揮者でした(当時、マーラーのレコードを買い漁りに行くと、必ずと言っていいほどに、このジャケットが紛れていたのです)。
彼は指揮者としてだけではなく、ピアノニストとしても腕が立ち、スコット・ジョプリンのピアノアルバムはお気に入りの一枚です。他にプーランクの室内楽やドーン・アップショウとのドビュッシー、クリスタ・ルードヴィッヒとの「冬の旅」などのレコードも数多く愛聴しております。
そんな音楽家レヴァインですが、晩年には音楽以外のことで話題となった人でした。
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