僕の好きなスポットに奥日光の丸沼がある。湖畔に立てばほぼ全景を見回すことができる小さな沼だが、湖沼100選の第1位に選ばれた沼だ。
 紅葉も地域によっては赤だけだったり、黄色だけだったりするが、ここ奥日光はカーブを曲がるたびに色とりどりに山が燃えている。
 紅葉を楽しむときの方法として、バックの空とのコントラストを楽しんでみる。一体何色入りのパレットを使えば表現できるだろうか。
 唐松の間に谷川を渡る風が入り込むと、まるでパリパリパリと、ガラス細工が音を立てていくような光景を楽しむことができる。
 逆行で見る紅葉ほど美しいものはない。それはみどり眩しい若葉の頃にもいえる。
 黄金色に染まるカラマツ。いくら密林していても、うっそうとしたカラマツ林なんて存在しない。太陽の光をそのまま地上まで届けてくれる。
 ちょうどいい時期に当たってくれたおかげで、紅葉の色が最も色鮮やかな丸沼を楽しめた。日が暮れ手当たりが真っ暗になっても帰る気になれなかった。
 あまりに地上が色彩が豊かになったので、気になったお月様が雲の間から覗いた。

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